WBC世界バンタム級戦”神の左”山中が8度目の防衛
世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチが16日、大阪府立体育会館で行われ、王者・山中慎介が同級7位のディエゴ・サンティリャン(アルゼンチン)に7回36秒でKO勝ち。8度目の防衛を果たした。
1Rから優勢に試合を進める山中。初めての世界戦ということもあって動きの硬いサンティリャンは1Rから鼻血がしたたり落ちる。4R終了時点での公開採点は40−36で山中。試合の興味は山中のKOに移っていた。
5Rも一方的に攻め続けた山中は6Rに左ストレートで最初のダウンを奪う。そして7R開始早々に左にスエーしながらあごにワンツーを打ち込むと、サンティリャンはリングにへたり込み、立ち上がることはなかった。
試合後、「(実力に)差がある相手だったが、倒し方は文句なかったと思う」というとおりの圧勝劇。
代名詞といえるKOは2試合ぶり、防衛は8度目に達した。華麗なる左のパンチの数々は「神の左」と称されるが、この日は右のリードを駆使して圧倒した。
今後については山中自身が「精神的にもレベルアップした。もっと注目される試合をしたい」と言うように、王座統一戦をはじめとするビッグマッチの実現が期待される。
またWBCのバンタム級といえば、元王者の辰吉丈一郎の名が浮かぶ。山中にとっても辰吉はあこがれの存在。
この日の前座では辰吉さんの次男である寿以輝(じゅいき)がプロデビュー。岩谷忠男を2回2分45秒KOで破り、デビューを飾った。