華原朋美さん 悩みの時期があったからこそ、今、いろんな歌が歌える。

第115回 6.13 OA

ラジオ番組『JAPAN MOVE UP』毎週土曜日21時30分〜 TOKYO FMで放送中!

 デビュー20周年のアニバーサリーイヤーを迎えた、華原朋美さん。オリジナルとしては9年ぶりのシングルを発表して話題を集め、24日には2枚のベスト盤を同時リリース。7月には全国ツアーも控える。再始動から3年。その活動にドライブが掛かる華原さんが、「日本を元気に」を合言葉に放送中のラジオ番組『 JAPAN MOVE UP supported by TOKYO HEADLINE』(TOKYO FM)に登場。この20年を振り返るとともに、新曲、近況などについて話を聞いた。

 笑顔を振りまきながらスタジオに現れた彼女は、きゅっと髪をまとめたヘアスタイルのせいか、もともと小ぶりな顔がさらに小さく見えた。聞けば「…やつれたんですよ」と、本人。「毎日見ているので、自分では(小さくなったとか)分からないんですけど」と、カラカラっと笑う。聞けば、4月からフル稼働。とにかく忙しい日々を送っているという。とはいえ、その表情からは充実した日々を送っていることが見て取れる。

 今年、デビューから20周年のアニバーサリーを迎えた。

「早かったですね。ただ、私は悩みの時期が長いので、仕事をしていたのは実質10年ぐらいなんですよね。人間的にちょっとダメな時期もありましたし。でも、そういう時があったから、今、いろんな歌が歌えるってこともあるんだろうなって。改めて歌手になって良かったなって思います。歌手じゃなかったら、過去の苦しみを歌にするってことはできなかったですしね」

 5月にオリジナルとしては9年ぶりにリリースしたシングル『はじまりのうたが聴こえる』。過去と向き合いつつ、新たな旅立ちを宣言するもので、注目を集めている。

「作曲が小室哲哉さんで、詞は私が書かせていただいています。小室さんの曲が先にあったのですが……小室さんの曲はやっぱり素晴らしいですね。ああなりたい、ああなりたいではなく、自分の経験を生かしたものにしようっていうアイデアは持っていて、シンセサイザーだけだった曲ができあがっていく過程のなかで、自分が書きたいことも定まっていく感じでした。それでも前を向いていこうであるとか、そう決めた心の強さだったりが形になればいいなって。そういった作品なので、歌うときはどういう気持ちになるのかなって不安もあったのですが、最初に歌った時、イントロが流れ出した瞬間に私自身が救われちゃったんです。それからは、歌えば歌うほど救われる感じがします。曲調もクライマックスに向かって明るいテンポになっていくので、歌っていてすごく前を向けるんです」

 24日には2枚のベスト盤を同時リリースする。シングル曲を収録したベストヒット的内容の『ALL TIME SINGLES BES
T』。もう一つの『ALL TIME SELECTION BEST』はファン投票で人気の楽曲を収めた。ベスト盤にはそれぞれ、新曲も1曲ずつ収録している。

「ベスト盤を作るにあたって、いろいろ考えたんです。改めて歌い直すという選択もあったとは思うのですが、その時の歌声だからこそのベストなんじゃないかなとも思い直して、(楽曲がリリースされた)その時の歌声で収録しています。聞いてくれる方も、この曲が流れていた時はこんなことしていたなってリンクする曲があるんじゃないかな。歴史も感じられておもしろい内容になっているんじゃないかなって思います」

 立て続けのリリース、それにまつわるプロモーション活動、「…やつれたんですよ」という説明にも納得がいく。さらにそれに加えて、自ら新曲のミュージックビデオやツアーで使う映像を制作するなど、やることは増え続けているのだから。

「今になってなんて遅いって思われるだろうけど、今まで他の人に任せていたものを、敢えて自分でやってみようと思ったんですよ。そうすることの楽しさを知ったというのもあるかもしれない。友達と2人でやっているのですが、自分たちでできる範囲のところでって決めたので、撮影機材はiPhoneだし、照明はアマゾンで安く買えたのでそれを使って。編集も自宅でやっています。衣装はオーダーしたりしましたが、ロケのための宿泊先を手配したり。もちろん、いい機材でいいスタッフでっていうこともできないわけじゃないけど、それだと今までやってきたことと同じになってしまうので。20年のなかで、これまでこんなふうにやったことがなかったから大変ではあるんですけど、大変なことを始めちゃったなとかそういう気持ちは全然ないんですよね」
「楽ではないけど、これをやり遂げた時、何か得られるものがあると思ってるし、見てくれる人たちもきっと喜んでくれるんじゃないかなって。私、そのために歌い続けているんだと思う」と、本人。

 7月からはデビュー20周年を記念した全国ツアーも始まる。そのリハーサルも加わり、さらに勢いは加速するばかりだ。
「懐かしい曲も、新しい曲も交えての構成になる予定です。曲はいっぱいあるのでメドレーということもあるとは思うのですが、聞きたい曲は聞いてもらえるんじゃないかな。そうなるように考えています。それと、歌を聴く、歌っている私を見るというものではなくて、見て聴いて楽しめるツアーにしたい。そのために今、映像を作ってるので(笑)」

 ここからまた新しい華原朋美が始まると本人。今後も彼女から目が離せない。

Latest information

『ALL TIME SINGLES BEST』&
『ALL TIME SELECTION BEST』24日リリース

3つのレーベルを超えて制作された初めてのオールタイムベスト。
『ALL TIME SINGLES BEST』
初回盤(CD2枚組+DVD)4800円、通常盤(CD2枚組)3600円
『ALL TIME SELECTION BEST』
初回盤(CD+DVD)3900円、通常盤(CD)3000円
※収録曲など詳細、ツアー情報はオフィシャルサイト(http://www.universal-music.co.jp/kahara-tomomi/)で。

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