新国立競技場について下村文科相から「現行デザイン案で総工費2520億円 今年10月着工」との報告
2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は29日、都内で9回目の調整会議を開催した。
調整会議はオリンピック・パラリンピックに関係する組織のトップが集まるもの。
今回は森喜朗 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長、下村博文 文部科学大臣、舛添要一 東京都知事、竹田恆和 日本オリンピック委員会会長、鳥原光憲 日本障がい者スポーツ協会日本パラリンピック委員会会長に加え、25日に東京オリンピック・パラリンピック競技大会担当大臣に就任した遠藤利明氏が初めて出席した。
この日の会議では新大臣の就任に伴い、改めて関係機関同士の連携の在り方についての意見交換。組織委員会からは法制上の課題への調整、リオ大会への支援のお願いなどがなされた。
また下村氏からは新国立競技場の整備方針について、基本設計を基調とし開閉式遮音装置については2020年大会後の設置とすること。可動席1万5000席については電動式から簡易着脱式へ。工期については今年10月着工、2019年5月完成。総工費2520億円、という説明があったという。
森氏は「調整会議はこれを受けて対応を話し合う場ではないので、今日は文部科学省の方針を調整会議のメンバーがお聞きしたということにさせてください。今後は政府と東京都で話し合いをしてもらわなければいけないこともたくさんあると思うので、双方精力的に進めていただきたい。遠藤大臣には東京都と文科省の間に立って、その調整役を異願したいということを私のほうからお願い申し上げた」と話した。
総工費が1625億円から2520億円に増加して理由については下村氏からは「説明は一切なかった」(森氏)というものの、「7月7日に行われる将来構想有識者会議で下村氏から改めて算定した数字、その他について説明するということです」(森氏)とのこと。
またこの日は下村氏から舛添氏に費用負担の要請などの話はなかったという。
約900億円増えた財源の確保については遠藤氏が「東京都のみなさんにどうやって協力をお願いできるか。他の国の財源はないか。あるいは国民の皆さんに、世界的な遺産として、みんなで盛り上げて作っていくために協力していただける方策はないかどうか、これから考えていきたい」と語った。