“持たない”で快適に暮らす ミニマリスト・佐々木典士

 モノをとことん減らした生活をするミニマリスト(=最小限主義者)の本。かつてはモノがあふれた部屋に住んでいた著者がミニマリストになったきっかけは。

「“ミニマリスト”という言葉を知ったことです。その言葉を知って検索すると、海外のミニマリストたちの写真がたくさん出てきたんです。その中には若き日のスティーブ・ジョブズの写真もあって、その人たちの何も持たない暮らしに衝撃を受けた。漠然としたモヤモヤが溜まっていた時期でもあり、これが自分の求めていたものだと直感しました」
 高価なものなど、捨てることに躊躇はなかったのか。

「悩んだりはしませんでした。リバウンドもなかったし、モノはどんどん減っていきました。一番大きかったのは、本に手をつけてから。本は絶対に捨てられないと思っていたので。それを丸ごと手ばなした時、想像以上に開放感があった。今はもし本当に自分にとって必要だと思ったら、何でも買い戻せますし、絶版本でもアマゾン経由で意外と簡単に手に入れられるので、そういう技術の発展もミニマリストという生き方を可能にしていると思います」

“持たない幸せ”とは。

「モノがないとストレスがなくなります。家全体を掃除しても3分ぐらいですから、いつも居心地がいい。時間ができるから気軽に出かけられるし、身軽だから行動範囲も広がる。実際身軽になったからよく歩くようになり、やせましたもん。だからダイエットにもいいんじゃないかな(笑)」

 それでもモノを捨てられない人に。

「将来の不安で悩んでいる人が多いと思いますが、その原因は多すぎるモノかも知れません。実際僕はモノを減らすことで、未来への不安がなくなったんです。小さく暮らすとお金もかかりませんし、人と比べることもない。モノが少ないと自分がどう変わってもいいと思えるので、すごく気持ちが楽になります。それにモノがないと、足の小指をぶつけてのたうち回ることもなくなりますしね(笑)。少なくとも僕にとってはいいことしかなかったですね」

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「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」
【著者】佐々木典士【定価】1000円(税別)【発行】ワニブックス