猛暑、酷暑も吹き飛ばせ! 夏フェス沸騰中!

フー・ファイターズは座ったってロック!

 猛暑日が続くなか、音楽シーンはさらにその上を行く熱を帯びている。毎週末、各地で夏フェスが行われ、国内外のアーティストがエネルギッシュなライブを繰り広げている。

 いわゆる夏フェスが夏祭りのように親しまれるようになるなかで、音楽のパワーやロックのすごさを味あわせてくれたのが、フジロックフェスティバル(以下、フジロック)のヘッドライナーを務めた米ロックバンドのフー・ファイターズだ。初日となった7月24日、ヘッドライナーとして登場したバンドは、迫力のロックパフォーマンスと、ちょっとした笑いも含む唯一無二のショーで、一番大きなステージを沸かせた。

 ボーカルのデイヴ・グロール(写真)は、6月にスウェーデンで行われたコンサートでステージから落下し、右足を骨折。英国のグラストンベリーフェスティバルを始めいくつかのフェスの出演は見送り、7月からライブに復帰した。とはいえ、フジロックでもギプスに松葉杖姿。ただ、そこはエンターテイナーでもある彼ら、その骨折をネタにオンリーワンのライブを展開したのだ。

 まずは、ステージ中央に設置された玉座を思わせる椅子。デイヴはこの前後に移動するこの椅子に座って、たっぷり2時間、歌い、激しくギターをかき鳴らした。楽曲も冒頭から『Everlong』『Monkey Wrench』、そして『Learn To Fly』と盛り上がらずにはいられない楽曲を並べた。途中、松葉杖で歩く場面もあったが、ほとんどは椅子の上で、怪我をした右足の上にギターを置いてプレーするようなシーンは印象的だった。

 さらに、デイヴは、スウェーデンでのライブ映像をモニターに映し出し問題のシーンを検証したり、レントゲン写真も披露。そのうえ、「どうしたらライブができるかって思いついたのが…玉座だ」(デイヴ)と、自ら描いたというラフなデザインスケッチが大写しに。オーディエンスは盛り上がらないわけがなかった。
 フェスシーズンは続く。今後も音楽のカッコいい瞬間が生まれそうだ。