RENAがSB世界女子フライ級初代王座に輝く

 今年創設30周年を迎えた立ち技格闘技「シュートボクシング(SB)」が8月21、22の2日間に渡り、東京・大田区総合体育館でビッグイベントを開催。初日の21日は女子選手のみの大会『Girls S-cup 2015 格闘女志』と題して行われた。
 メーンでは「シュートボクシング世界女子フライ級(51kg)初代王座決定戦」が行われ、RENAがカネ・チョーカンピロムを3R1分58秒、ヒザ蹴りからのレフェリーストップで倒し、初代女王に輝いた。
 当初はジョームクワン・シットンサクと対戦予定だったのだが、17日に起こったバンコクでの爆発事件で関係者に不幸があったため来日不能となり、大会直前に対戦相手がカネに変更となった。
 そんなアクシデントもものともせずRENAは1Rから打投極すべての面で圧倒。SBの戦い方を改めて見せるがごとく、2Rには後方への投げでシュートポイント2を獲得。フロントチョークでギブアップ寸前まで追い込んだ。
 最後は「絞めでは決めたくなかった」ということで、首相撲からのヒザの連打で試合を決めた。
 試合後の会見では「ベルトが取れてうれしいが勝ち方にはこだわっていた。相手が防戦一方になると押しきれない自分がいるので、そういうところはまだ技術不足なのかなと思う」と真っ先に反省。相手が変わったことに関しては「タイトルマッチ的には自分もお客さんも納得できないと思うので悔しい。今後はこのベルトの価値をどんどん高めていく。そして誰とやってもRENAは負けないという最高の位置に行きたいと思っています」と語った。

 この日のもうひとつの柱は「Girls S-cup 48kg日本トーナメント」。昨年、準優勝のMIOら8選手が参加しワンデートーナメントが行われた。
 決勝ではMIOと紅絹が対戦。激しい打ち合いは3Rでは決着がつかず、延長へ。延長では開始早々にMIOが放った前蹴りで紅絹がスリップダウン。MIOはその後に放った右ストレートで紅絹のアゴを上げるとしっかりペースを握り、その後の打ち合いも制し、3-0の判定で勝利を収めた。
 MIOは「去年、準優勝で悔しかった。やっと日本一になれてうれしい。これで満足することなく山口選手とミニマム級のベルトをかけて戦いたい」と昨年のトーナメントの決勝で敗れた山口友花里に次のターゲットを定めた。
 またワンマッチで、東京女子プロレスのプロレスラー山下実優がSB初参戦。ユリカGSBと対戦した。山下は極真空手出身で、中学時代に県大会優勝、全国大会3位という実績を残しており、プロレスでも蹴りを武器にエースとして活躍している。
 1Rから多彩な蹴りで攻め込むが、ユリカはパンチで応戦。キックボクシングの経験が浅いため、パンチ対策ができておらず、追い込まれるシーンもあったが、ヘッドロックを見せるなどプロレス技で反撃。投げに活路を見出すべく奮闘したが、判定で敗れた。
 シーザー武志会長は「華があった。ああいう選手は必要。時間が短かったんで、パンチの練習があまりできなかった。時間があればもっといい試合ができた」と山下をねぎらった。