安蘭けい、伝説のミュージカルで丹下段平?
安蘭けいら豪華キャストで魅せるミュージカル『CHESS(チェス)』の公開稽古が31日、都内の稽古場で行われ、安蘭、石井一孝、田代万里生、中川晃教の主要キャストが取材に応じた。
米ソの冷戦時代、米国人でチェスの天才プレイヤーのフレディ、そのセコンドを務める美女、そして国家を背負ってチェスをするソビエト連邦出身のプレイヤーたちの勝負、その人生、さらには三者の織りなす人間模様に、KGBそしてCIAの思惑も交錯していくという重厚なミュージカル。1986年にロンドンで開幕して以来、30を超える世界各国で上演。日本でも、2012年、翌2013年にコンサート版が上演され、安蘭、石井、中川が出演した。
コンサート版から引き続き出演する安蘭は、「フレディのセコンドのフローレンス、(『あしたのジョー』でいう)丹下段平をやります!」と意気込む。「(ミュージカルは)ストーリーがより分かりやすくなっていて、キャラクターの個性が色濃く出ていると思います。コンサートでは語れなかった部分も、演出によって、深く考えたり想像していただける場面が増えて、深くなっていると思う」。
ソ連出身のチェスプレイヤーのアナトリーを演じる石井は、「稽古が始まってから(コンサート版とは)ずい分違う手触り。コンサート版と違って妻がかなり傍にいるようになっているので、フローレンスに恋心を抱いて国を後にするというのがすごくやりにくい」と、苦笑いしつつも、「(ミュージカル)日本初演、最高の『CHESS』にして世界のファンに“おおっ!”と言ってもらいたい」と、やる気だ。
中川は、「フレディは、フローレンスよりも年上の設定のようなので、セクシーな部分も見せていけたら」と話し、石井をけん制した。
ミュージカル版からの参加となる、田代は「歌がすごいうまい。稽古場を支配している」(石井)、「一番若いけど頼りにしている」(安蘭)と、カンパニーからは全幅の信頼を寄せられている。田代は「僕にとってのオールスターと一緒に日本初演迎えられることにワクワクしています。カンパニーは、…『CHESS』に対して熱い。稽古の待機場所でもみんながチェスをしていて、稽古に呼ばれても夢中になっているんです」と、話した。
冷戦時代、政治、チェスといろいろな要素が重なり、一聴、理解が難しそうな作品だが、「見れば大丈夫」と、安蘭。そこへ田代が「コンサート版とは、曲の順番が入れ替わっていて、説明になりうる楽曲がド頭に来ているんです」と説明するなど、頼られっぷりが分かる一場面だった。
舞台は、『エビータ』や『ジーザス・クライスト・スーパースター』、『ライオン・キング』のティム・ライスが原案・作詞を担当。音楽は、人気ポップグループのABBA(アバ)のベニー・アンダーソンとビョルン・ウルヴァースが手掛けており、クラシック、ポップ、ロック、ラップと音楽面でも豊か。1986年にロンドンで開幕して以来、30を超える世界各国で上演されている。
9月27日から東京芸術劇場プレイハウスで。