新極真会『全世界空手道選手権大会』 島本が初優勝 王座流出の危機救う
4年に一度のフルコンタクト空手世界最高峰の大会『第11回オープントーナメント 全世界空手道選手権大会』(新極真会主催)の最終日が11月1日、東京・千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。
男子は日本の島本雄二、女子はハンガリーのチェンゲ・ジェペシがともに初優勝を果たした。
島本は4回戦でタマス・ポポヴィッチ(ハンガリー)、5回戦で藤原将二郎(日本)、準々決勝ではマシエ・マズール(ポーランド)を、準決勝ではルーカス・クビリウス(リトアニア)を破り決勝進出。
決勝に上がってきたのは準決勝で前田勝汰(日本)を破った日本の入来建武。昨年の全日本選手権決勝と同じ組み合わせ。入来はここで勝てば史上最年少優勝の記録がかかっていたが、島本は2度の延長の末、最後の判定でも3-2という際どい勝負をものにした。
第1シードで優勝候補だったヴァレリー・ディミトロフ(ブルガリア)は5回戦で前田に敗れ姿を消した。前田は準決勝まで進出。敢闘賞を受賞した。
女子は前回王者の将口恵美がこの日初戦の3回戦で敗退。前日には第2シードの加藤小也香が敗れており、日本の王座死守に暗雲が漂った。しかしこのピンチに南原朱里、菊川結衣といった若い世代が奮起。南原は3回戦でポーランドのアガタ・カリシアクを延長から体重判定で、準々決勝ではリトアニアのルタ・ブラズィオマイテを2度の延長の末破り準決勝進出。ともに自分よりはるかに大きい選手だったが、果敢に攻め抜き「小よく大を制す」の勝利だった。
準決勝では日本の菊川と対戦。菊川は今大会の最軽量選手。こちらも海外の大きな選手を破ってここまで勝ち上がってきた。2人はスピーディーで手数の多い打撃戦を繰り広げ、2度の延長の末、南原が5-0の判定で勝利を収め決勝に進出した。
決勝の相手は優勝候補のジェペシ。1回戦から出場し、この日の3試合はすべて2度の延長と過酷な戦いを強いられた南原だったが、疲れた様子も見せず、ジェペシに挑む。しかし全ヨーロッパ大会重量級で3連覇と経験豊富なジェペシの前では準決勝までのようにはいかなかった。ここでも2度の延長にもつれ込むなど粘りを見せたが、最後は5-0の判定で敗れた。
しかし南原は16歳での決勝進出は驚異。菊川も17歳と、ジュニアの育成の成果が出た格好だ。
南原の師匠である緑健児・新極真会代表は「こんな短期間にこれほど強くなれるんだ、と驚きました。準優勝は立派。福岡に帰ったら褒めてあげたい」と南原の健闘を称えた。