脱こじらせへの道 第11回 女性同士でもなぜオナニーの話はしにくいのか

 こんにちは、田口です。
 前回は特別版で劇団Rexyの出演者へのインタビューを掲載しましたので、この通常の形式はほぼ1カ月ぶりになります。みなさん、お久しぶりです。

 劇団Rexyにつきましては、4日間7公演がすべて超満員とたくさんのお客さんに来ていただきました。ありがとうございます。
舞台が初めての俳優さんも多く、最初のうちは演者もスタッフも不安だらけでしたが、稽古と、そして本番を通してぐんぐんと成長し、満足いただけるお芝居をお届けできたのではないでしょうか。
 今後、第2回、第3回と公演を続けていきたいですね。

 さて、本題です。
 1カ月前の第9回で、「女性同士でエッチな話題を取り上げにくい」というところから、なぜ「オナニーの話は恥ずかしい」という人が多いのかという疑問が浮上したところで次回…となってましたね。
 というわけで今回は「毎日している強者も!? ひとりエッチはどのくらいのペースでする?」というアンケートをもとにこの点について考えていきたいと思います。

 これも回答数がけっこう多かったんです。しかも赤裸々なコメントもたくさんいただきました。
 言いにくい話題なのに、きっとここ(GIRL’S CH)ならこの話題をしてもいいんだろうなって、みなさん思っているからじゃないでしょうか。
 もちろんこういうアンケートに答えるくらいだから、ほとんどの方が「している」前提。「週に数回」と「毎日」という人が多く、2つ合わせて7割になります。

 私が思うにオナニーについては5つの段階があると思うんです。

 (1)「本当にしない。性欲もなく興味もない」という場合。
 (2)その反対に「する。しているということも言える」という場合。

 この2つの間に以下に上げる3つのタイプがあると思っています。
 (3)「してるけど言わない人」。こういう人が一番多いのではないかと思います。
 (4)「これがオナニーだと分かっていない人」。実はこういう人いるんです。
 例えば布団にこすりつけるといったことはしているのですが、これをオナニーとは意識していない、といったパターンですね。
このふたつが、「してない」という人の場合。そしてもうひとつのタイプは、「している」というんだけど、(2)の人とは違うこんなタイプ。
 (5)しているし、「している」って口に出して言うんだけど、「している」って言ってる自分が、最先端な感じがして、そんな自分が好きだから言うという感じの、最近流行りの“ビッチ系”みたいな人。

 この中でこじれているのは圧倒的に5番目のビッチ系ですよね。
 ビッチであることがかっこいいと思っているある種の人たちが最近増えてきたなっていう気がします。
 これ、第9回のときにも似たようなこと書きましたよね。肉食と処女ばかりが取り沙汰されて、間の「どちらにも属さない女性」が置いてけぼりになっている。
(うーん、この話題だけで、一回分のコラムになりそうです。)

 最初にも書いたんですが、オナニーしている人も実際多いし、そういう話もしたいのに、話題にしてもいいよって認められた場所じゃないと話しにくいというのが現状です。

 ではなぜ、そんなにオナニーの話はしにくいのか。
 それは、女性の性欲=後ろめたいという意識がまだまだ根強いからだと思います。

 決して後ろめたいことではないんですが、なぜ後ろめたいと思うんでしょう。

 男性は、最初でこそ「こんなことしていいのか」と思うのかもしれませんが、年をとるにしたがってオナニーに対する後ろめたさを感じている人は少ないですよね。
 だって生理現象として、溜まるものは溜まるし、出さなければいけないですから。

 それに対して、女性の場合は、オナニーはしなくてもいいんです。
 オナニーをする・しないに関わらず、生理的に困ることは何もないのですから。
 だから、「しなくてもいいことをしている」という申し訳なさが、罪悪感につながるのかもしれません。

 食べ物に例えるのもどうかと思いますが、男性のオナニーは白米を食べるようなもので、女性の場合はポテトチップスを食べるようなもの、くらいの差があるのかもしれません。

 主食として白米は食べないといけない、でも、ポテトチップスは食べなくても生きていけます。
もし主食にポテトチップスを食べる人がいるなら「健康に影響ないの?」なんて心配されたりいらぬ説教をされたりするかも。でも、何を食べようが個人の自由ですよね。ポテトチップスを積極的に食べることを誰も責めることなんてできません。

 ちょっと強引ですがそれと同じで、オナニーを積極的にすることを誰も責めることなんてできませんし、どうしようが自由です。罪悪感とか後ろめたさを持たないでください。そしてせめて仲のいい友達同士なら話しましょうよ。そこから始めましょうよ。

 そういうものを打開するには、やはり、話題にしていい場所ではちゃんと話題にするということですよね。
 職場の飲み会でいきなりオナニーの話はすべきではないと思いますが、仲のいい女友達とそういう話になったらしてもいいのではないでしょうか。

 ただ、実際、女同士でもハードルがあるケースがあるんですが、聞くほうも軽蔑しないで聞いてほしいですよね。
 軽蔑というか「ええーっ!? そんなことしてるの!?」といったリアクションはNGです。
 そういうリアクションが言い出しづらさを生むだけでなく、自分も言い出しにくくなりますから。

 こういう反応をする人の中には、自分自身も後ろめたいことをしていると思っている人が多いと思うんです。「ああ、この子はこんなことやっているんだ」っていうのと同じように、「私こんないけないことをしている…」と思っているということですもんね。

 アンケートの回答でもオナニーをする時は「ムラムラした時」「彼と会えなくて寂しい時」といった回答が多かったです。オナニーをする理由は男性と一緒ですね。でも男性と女性のオナニー観はずいぶん違います。

 たとえば、こんなことも言えると思います。
 男性は満を持してオナニーをするときもあると思うんです。
 例えば「紗倉まなちゃんの新作が出た」とか、大好きな女優さんの作品を手にした時なんかそんな感じじゃないですか?
 でも女性の場合はそういうケースはほとんどないんじゃないでしょうか。
 例えば一徹さんの新作が出たとしても、それはオナニー目的ではなくて、ただ一徹さんを見たいという感覚が強い人が多いのではないかと。この作品ではどんな彼が見られるんだろうっていう目線が強いと思うんです。

 女性のオナニーに関する話はちょっと掘り下げてみたいですね。

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。

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