12・1シュートボクシング サワーが弘中を圧倒 鈴木はザカリアに完敗
今年創設30周年を迎えたシュートボクシング(SB)の記念大会『SHOOT BOXING 30th Anniversary GROUND ZERO TOKYO2015』が1日、東京・水道橋のTDCホールで開催された。平日の夜にもかかわらず、前売り券は完売。超満員札止めの3310人のファンが駆け付けた。
メーンではS-cupを4度制したアンディ・サワーと先日、修斗世界ウェルター級王座を返上したばかりの弘中邦佳が対戦。サワーが3-0の判定で勝利を収めた。
2人は約1年前に対戦し、サワーがKO勝ち。弘中にとっては1年越しのリベンジマッチだった。
試合はサワーが圧倒。弘中はそのタフさでダウンこそ奪われなかったものの、サワーのパンチの連打、首相撲からのヒザの連打に防戦一方。時折放つフックも文字通り単発に終わり、サワーの牙城を崩すには至らなかった。
年末の「RIZIN」でのMMAデビューを控えるサワーは試合後「大晦日のリハーサル的な形で今日は力を尽くそうと思いましたが、怪我もあり、うまく行きませんでした。RIZINですべてを出します」挨拶。試合中に片足タックルを見せる場面もあったのだが、会見で「MMAの練習の成果を見せました」と語るなど、心はすでに大晦日にあったようだ。
今後については契約済みの2試合を消化した後はMMAとシュートボクシングに専念するという。
セミファイナルでは昨年のS-cupの再戦となる鈴木博昭vsザカリア・ゾウガリー戦が行われ、判定ではあったがザカリアが完勝した。
1Rから強烈なパンチで圧倒するザカリアに対し、動きの硬い鈴木はほとんどパンチを返せない。2Rも鈴木はコーナーにザカリアを詰めても手が出ない状態。ザカリアはローキックの連打からガードのすき間に右ストレートをねじ込みダウンを奪う。その後もザカリアはボディーブローを中心に上下へのパンチとローキックを打ち分け、鈴木に反撃の糸口を与えない。3Rになってやっと鈴木も左のクロスカウンターを決めるなどパンチが当たり出したが、時すでに遅し。30-26、30-27、30-26の大差の判定でザカリアが勝利を収めた。
試合後ザカリアは「タイトル戦には興味がある。今回もタイトル戦にならないかと思ったが、鈴木が望んでいなかったようだ」と発言。
シーザー武志SB協会会長は「ザカリアはほかの日本人選手ともっとやって、自分の価値を高めてほしい。その上で来年、鈴木とのタイトルマッチを組みます」と語った。
この日はシュートボクサーがMMAファイターを迎え撃つカードが多く組まれたのだが、SB勢にとっては厳しい結果となった。
SB日本スーパーウェルター級王者の坂本優起は3年ぶりのSB参戦となる郷野聡寛と対戦。戦前「いくら攻撃力があっても当たらなければ意味がない」と言い放った郷野だったが、その言葉通りの試合を展開。コーナーを背負っても巧みなディフェンスで坂本の攻撃を完封。ミドルキックをキャッチしてのパンチを繰り出すなど、攻撃面でも坂本を翻弄し3-0の判定で勝利を収めた。
SB東洋太平洋ウェルター級王者の宍戸大樹はSB初参戦となる上迫博仁と対戦。上迫は1R開始早々にラッシュをかけ、コーナーに詰めた宍戸に連打を浴びせダウンを奪うと、以降もその持ち前のパワーで宍戸を圧倒。2Rには投げでシュートポイントも奪い、30-26、30-25、30-26の判定で圧勝した。
SBの女子をRENAとともに牽引してきた高橋藍はこの日の試合で引退。最後の相手はこれまで3回対戦し3連敗中の魅津希。1、2Rと一進一退の攻防が続き迎えた3R。残り1分、高橋が首相撲からヒザ蹴りを連打し、2-1の判定で引退を勝利で飾った。
この日は新設された「SB日本ヘビー級王座」の決定トーナメントが行われ、決勝で清水賢吾が南国超人と対戦。清水が1R1分9秒、左フックで3度のダウンを奪いTKO勝ち。初代王者に輝いた。
清水は「2本ベルトを取って日本最強を証明できたので、ぜひ年末、出させてください」と、RIZINへの参戦をアピールした。