【2015年重大ニュース】 安心してください読めばだいたい分かります その1
年末恒例のTOKYO HEADLINE編集部が独断と偏見で選ぶ重大ニュース。今年はどうにも落としどころがうやむやというか結末が腑に落ちないというか、すっきりしない事件や出来事が多かった印象。そして著名人のやらかしが多かった昨年に比べ、素人の台頭が目立った一年でした。
世界を感動させたラグビー日本代表
2015年の重大ニュースを選ぶにあたっては、ラグビー日本代表の活躍を真っ先に上げないわけにはいかない。
日本はこれまでW杯では1勝しか挙げられず、1995年のW杯ではニュージーランドに145−17の大敗を喫した。
しかし2012年シーズンから日本代表ヘッドコーチに就任したエディー・ジョーンズの猛特訓のもと「ジャパン・ウェイ」と呼ばれる独自のラグビーを構築した日本は今年のW杯イングランド大会のグループリーグ初戦で南アフリカに34−32で逆転勝ち。一気に日本中でラグビーに対する評価を一変させた。
終了間際のワンプレーで、同点を狙わず勝ちを狙った戦術を選んだ上での勝利に日本中が勇気づけられた。
サモア、アメリカにも連勝。勝ち点で及ばず決勝トーナメント進出は逃したが、これまで1勝しか挙げられなかった日本にとってはこの3勝は歴史的快挙。また南アフリカ戦は今年から新設された新設された「ワールドカップ(W杯)最高の瞬間」に選ばれるなど、しっかりと世界に日本の成長を見せつけた。
キッカーを務めた五郎丸歩は蹴る前の独特のルーティンの動作“五郎丸ポーズ”が注目を浴び、流行語大賞にも選ばれた。
男子フィギュアの羽生と体操の内村が異次元の活躍
スポーツ界の快挙といえば、男子フィギュアスケートの羽生結弦。羽生は今シーズン、11月末のNHK杯のフリーで史上初の200点台となる216.07点を出し、トータルスコアでも史上初の300点台となる322.40点を記録。それまでのパトリック・チャンの295.27点の世界歴代最高得点を大幅に塗り替えた。
そして12月10日から始まったグランプリファイナルではショートプログラム110.95点、フリー219.48点と2週間前のNHK杯を超える330.43点という驚異的なスコアを叩き出した。
体操の内村航平も世界体操の男子個人総合で前人未到の6連覇という偉業を成し遂げた。
今年は予選4種目目のゆかの競技中に前方宙返りで頭部を強打するなど、大きなアクシデントがあったが、気持ちを切らすことなく演技を続け、最後は2位に1.6点以上の差をつける王者らしい戦いぶりを見せた。
また日本は男子団体総合でも37年ぶりとなる金メダルを獲得した。
東大の連敗94でストップ
野球に目を移すと、マニアックな諸兄が注目していたのは東京六大学リーグの東京大学の連敗記録だったのでは?
今年は「100」の大台に乗るかどうかという大事なシーズン。春季リーグで東大は開幕から明大、早大、慶大、立大に8連敗を喫し、94まで記録を伸ばしていた。
しかし5月23日の法大戦。延長戦にもつれこみ10回表に野選で勝ち越し点を挙げるとさらに1点を追加し6−4で5年ぶりの勝利をもぎ取った。
この94という数字のすごいところは、在学中1度もリーグ戦で勝利を経験しない学年が存在したということ。東大に入るような順調な人生の中で初めての挫折。しかしそんな挫折を味わった人にこそ、国の中枢で頑張ってほしい、と願うのは記者だけだろうか…。
キーワードは“国産”
TBSドラマ『下町ロケット』が高視聴率を叩き出す中、11月24日にカナダの通信放送衛星を搭載したH2Aロケット29号機が鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。国産ロケットが商業衛星を運んだのは初めて。
今回打ち上げられたのは改良型のH2Aロケット。従来型に比べ、少ない燃料消費で軌道に到達できるようになり、積み込んだ燃料の多くを運用に使えるため、数年長持ちするようになった。
“国産初”でいえば、三菱航空機が開発した国産初のジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)が11月11日、初飛行に成功した。国産旅客機の初飛行はプロペラ旅客機「YS-11」以来、53年ぶり。三菱重工は、富士重工業と日本航空機開発協会と共同で、15年5月から研究開発に乗り出して以来13年かかって初飛行にこぎつけた。
同性パートナー条例
今年はさまざまな“権利”について考えさせられる一年だった。2月11日に渋谷区が同性カップルに“結婚相当”の証明書を発行する条例案提出決めた。これは証明書を持つ同性カップルを結婚に相当するパートナーの関係として、区内の事業者に最大限配慮するよう定めたもの。3月31日に「渋谷区同性パートナー条例」が成立。11月5日から交付され、女性2人のカップルが第1号となる証明書を受け取った。この動きは世田谷区にも波及。11月5日に「パートナーシップ宣誓書」の受領証交付を始めた。
また12月には最高裁大法廷が夫婦同姓は「合憲」、女性再婚制限は「違憲」という判断を示した。
海外では5月にアイルランドで同性婚を合法とする憲法改正の是非を問う世界初の国民投票が行われ、賛成票が62%にのぼった。
また米カリフォルニア州では10月に「死ぬ権利」を認める州法が成立した。
昨年の重大ニュースでは際立った個性の持ち主が紙面を飾った。その人たちの今年を追ってみたい。
まずはSTAP細胞の小保方晴子氏。2月10日に理研がSTAP細胞の論文不正問題で小保方氏について「懲戒解雇処分に相当する」との判断を発表。7月7日には小保方氏から2本の論文掲載費用約60万円が理研に返還されたことが発表された。11月2日には早稲田大学が小保方氏の博士号について、論文の訂正・再提出の猶予期間が満了したとして、学位の取り消しが確定したと発表した。
兵庫県の“号泣議員”野々村竜太郎元県議は詐欺と虚偽有印公文書作成・同行使容疑で8月18日に神戸地検が在宅起訴。11月24日に初公判を迎える予定だったのだが「精神的に不安定で出廷できない」という理由で公判を欠席するという異例の事態となった。公判にあたり久しぶりにブログを更新し、そこでマスコミへ取材しないように要請しているのだが、そのブログの文章が圧巻。
PC遠隔操作事件で、威力業務妨害やハイジャック防止法違反などの罪に問われた片山祐輔被告には2月4日に懲役8年(求刑懲役10年)の判決が言い渡され、実刑が確定した。
ゴーストライター騒動の佐村河内守氏の動向が全く耳に入ってこないなか、新垣隆氏は本来の作曲家・ピアニストとしての仕事はもちろん、バラエディー番組などにも引っ張りだこの生活となっている。
大韓航空機ナッツ事件の“ナッツ姫”こと趙顕娥被告は1月19日に初公判。趙被告側は起訴事実の大部分を否認したが、懲役3年が求刑され、2月12日に懲役1年の実刑判決が言い渡された。趙被告側は翌日に控訴。控訴審でソウル高裁は1審を破棄し懲役10月、執行猶予2年(求刑・懲役3年)の判決を言い渡した。