野村周平 × 間宮祥太朗 映画『ライチ☆光クラブ』で“14歳の美少年”に!?
熱狂的なファン層を持つ、古屋兎丸のロングセラー漫画「ライチ☆光クラブ」がまさかの実写映画化! けがれた大人たちの世界を否定する、14歳の少年たちがたどる衝撃の運命とは。独創的な世界観を見事に体現した、野村周平&間宮祥太朗が登場!
対立する役どころで意気投合!?
野村周平はスノーボード選手という異例の経歴を持ちながら、ドラマ『恋仲』や今春公開の映画『ちはやふる』など、話題作で存在感を増す注目俳優。間宮祥太朗はファースト写真集で異例の販売部数を誇った長身のイケメン。現在放送中の主演ドラマ『ニーチェ先生』など役者としても人気急上昇中。20代男優の中でも熱視線を浴びる2人が、映画『ライチ☆光クラブ』で共演。すっかり意気投合したという。
野村周平(以下、野村)「撮影前に行われた本作の親睦会で初めて会ったんですけど、撮影中はいつもみんなで一緒にいたし、同じ先輩と交流があったりして仲良くなった感じですね」
間宮祥太朗(以下、間宮)「同い年ということもあるし、2人とも性格が男らしいタイプというか(笑)」
野村「けっこう逆な面もあるけどね。聞いてる音楽も全然違うし…」
間宮「カルチャーは大分違うね(笑)」
野村「僕はストリート系だし」
間宮「僕は学生のころによくブリットポップを聞いてたかな」
野村「だから趣味の話はしないね。たわいもない話が合うんだよね」
間宮「いつも、くだらない話で笑い合ってる感じだよね(笑)。やっぱり、同じことで笑えると、仲良くなれるんだろうね」
野村「会うときはたいてい飲み会になるし(笑)」
間宮「一緒にショッピングに行こう、とかは無いよね。そもそも着る服の系統も違うから(笑)」
野村「一緒に出掛けたとしても“じゃあ俺はこっちの店に行くから”って別行動になると思う」
間宮「1時間半後に集合ね、みたいな(笑)」
野村「飲んでいるときも難しい話はしないしね。俳優論とか(笑)」
間宮「絶対しないね(笑)」
俳優論を交わさなくとも、本作を経て、認め合う仲となったようだ。
野村「祥太朗は誰にでも“良い奴だよ”って紹介できる。言動がしっかりしてる、もしくはしっかり見せることができるし(笑)。ちゃんと本も読んでいるし映画もたくさん見ているし。僕にはできない部分を素直に尊敬してる」
間宮「僕は、周平はすごいチャーミングだと思っていて。周平の冗談とかもすごく好きなんだよね。あまり構えてないというか、朗らかでラフな付き合い方ができるところとかもいいなと思う。今回は主演として、周平のそういう面が現場でもすごくいい雰囲気を作ってたと思うよ。あと僕に無い部分でいえば、周平にはBMXやスノボというしっかりしたバックボーンがあって、自分のスタイルを持っている。自分の居場所を持っている感じが、僕にはすごく興味深いんだよね」
野村「互いに無いところがあるから、面白いんだろうね。服の趣味も聞く音楽も全然合わない。酒を飲むペースは合うか(笑)。祥太朗はよく俺にばかり飲ませようとするけどね」
間宮「周平は本当にチャーミングだから飲ませたくなるんだよ(笑)」
野村「そこまで言われたらうれしくなっちゃうよ(笑)。思えば、飲み会以外でお互いの事をこんなに話すのって初めてかもね」
間宮「撮影中は基本的に作品についての話をしていたからね」
独特すぎてジャンル分けできない!?
その作品とは内藤瑛亮監督作『ライチ☆光クラブ』。大人になることを否定する少年たちの愛憎がもたらす、美しくも危険な崩壊劇。野村が演じるのは、光クラブのカリスマ・ゼラに反発していく主人公タミヤ。間宮は、ゼラに心酔する謎めいた美少年ジャイボを演じる。
野村「僕は監督とご一緒するのは『パズル』に次いで2回目なので、僕も監督のことを分かってるし監督も僕のことを分かってくれている。だから今回、改めて話を詰めるようなことはなかったですね。ただ、今回は監督がすごく大変そうで…」
間宮「撮影時間もタイトで、現場も大変だったからね。撮影も昼夜逆転状態だったし」
野村「でも妥協はしない人で、本当にしんどそうだったので僕らが監督を励ます会、みたいなことをやったんです」
間宮「撮影の中盤くらいだったかな。次の日が休みだったとき、昼間のファミレスに監督を誘ったんですよ。僕と周平、(藤田)季節もいたね。そこで“監督の中でビジョンがあるんだから、状況が大変でも僕らは監督の言うことを信頼して撮影に臨むし、僕らのベクトルは監督に向いているから”という話をしたんです」
きっと監督も2人の熱意をうれしく思ったはず。
野村「思ったんだけど監督って残酷なシーンを撮るとき、すごく可愛らしい笑顔をするよね」
間宮「子供がおもちゃをもらったときのようなね。純粋にそういう場面を撮るのが好きなんだな、と(笑)」
美少年×スチームパンクという独特なビジュアルに、監督のセンスがいかんなく発揮されている。
野村「完成作を見て、まず映像が美しいと思いましたね。原作の世界観が出ていたし、何よりみんなの存在が素晴らしかった。少年的な美しさも出ていたし。あと、監督は音楽にもこだわる方なので、今回も世界観と完全に合った音楽がとても心地よかったですね」
間宮「映像は実際より暗いトーンになっているんですけど、それがまた良いんですよね。映像だと分かりにくいけど、僕と雷蔵(松田凌)は髪を染めているんです。僕はかなり青く、雷蔵はかなり赤い色に染めていたんですけど、映像で見ると青い髪が“光る黒”に見えて、面白いなと思いましたね」
14歳の美少年たち、命がけで誓う“十箇条”秘密基地、世界征服、殺人マシン…随所に散りばめられる“思春期”要素と耽美が入り混じる世界観も独特だ。
野村「“十箇条”もけっこう大変だったよね。必ず誰かがちょっと間違えたり、自信がないところで声が少し小さくなったり(笑)」
間宮「周平たちはドイツ語のセリフもあったしね」
野村「ドイツ語はしんどかった。祥太朗は無かったよな」
間宮「そう。ジャイボは“十箇条”も言わないし(笑)」
野村「“きゃは”しか言わないからな」
間宮「でもドイツ語、かっこよかったよ。作品を見て、俺も言ってみたかったなと思った」
野村「好きなシーンはやっぱり、ゼラとジャイボの濡れ場かな(笑)」
間宮「映像作品では、あれが僕の初めてのキスシーンだったんですよ」
野村「僕からすると、頑張ってねとしか言いようがない(笑)。でも良かったよね、相手が古川君で」
間宮「キレイだしね(笑)。仲良いだけに、周平とのキスシーンのほうがキツかったろうね」
野村「ちょっとこの作品、断ろうかな…って思うよね(笑)」
独特なキャラクターを2人はどう自分のものにしていったのか。
間宮「ゼラとジャイボは、体だけではなくて精神的にも絡みがある役どころだけど、古川君とはどんな芝居をするかという話し合いを全くしなかったんです。お互いに持ってきたものを本番で出し合うという形だったから、生っぽさというか、相手がどう出るか分からない緊張感があった。面白い芝居ができる関係性でいられたのも、良かったと思う」
野村「タミヤとしては、常に普通でいることを意識していましたね。これだけ濃いメンバーの中で、タミヤまでキャラが濃かったらワケが分からないことになるし(笑)。タミヤはごく普通の、正義感ある少年。それを貫き通すことで、他が目立ってくれれば逆にこの役も生きる、と思っていました。だから本当にみんなに感謝してます。現場でもみんなの芝居を見ているのが何より楽しかった」
光クラブのメンバーを演じる同世代の役者たちも個性豊かな顔ぶれ。
野村「季節は面白いよね。土がウマいとか言い出すようなヤツで(笑)」
間宮「あんまり面白くて、僕らはこの場を借りて謝りたいくらい彼をいじってしまったんですよ(笑)。でも季節は、みんなのなかで一番役と向き合っていた印象があるな」
野村「盛り上げ役は(岡山)天音と(戸塚)純貴だね」
間宮「片方が面白いことをするともう片方がそれに嫉妬して、さらに面白いことをするという(笑)。僕は天音の演じたヤコブのキャラがずっと気になってて。全くもってベクトルが分からないというか」
野村「ヤコブと雷蔵に関しては全く分からない(笑)」
間宮「女性教師を拷問しているときも何を感じているのか全く見せない。天音自身も、一番サイコパスなのはヤコブなんじゃないかと言ってた(笑)」
野村「ただ、それを発揮できないままだけどね(笑)」
撮影セットも世界観そのままだったと振り返る。
野村「工場跡のセットは本当に素晴らしかったです。何よりロボットのライチは、原作へのリスペクト以上のものができていた。おかげで世界観に入りやすかった」
間宮「実際に現場に立ったら完全に『ライチ―』の世界に入る準備ができた。あれは役者にとって本当にありがたい」
野村「工場もライチも、原作の世界そのものだったからね」
間宮「雰囲気ありすぎてヤバいくらいだったよね、深夜にトイレに行くときとか怖くて。レクイエムとか聞こえてくるし(笑)」
どんなジャンルに当てはめることもできない作品、と2人は語る。
野村「カップルでの鑑賞はお勧めしないかな(笑)」
間宮「気まずくなる人もいるかもね(笑)」
野村「僕は、登場人物たちと近い、若い世代の人にぜひ見てもらいたいですね。若い俳優たちが中心となって一つの世界を作りあげたので、そういう部分でも、この作品に可能性を感じてもらえたらうれしいです」
間宮「もう『ライチ☆光クラブ』というジャンルだとしか言いようがない作品だと思います(笑)。原作を知っている人も初めて本作を知る人も、どんな感想を抱くのか予想がつかないので、すごく楽しみ。僕自身この作品を語りきれないし、見るたびに新しい発見があるんです」
野村「大人が見ても、14歳のときは自分もこんなこと言ってたなとか、こんなこと考えたな、なんて思い出して、楽しめると思いますね」
間宮「秘密基地にあこがれたな、とかね」
野村「たまには自分の中の14歳を思い出すのも面白いんじゃないかな。まあ、僕はいまだに14歳みたいなものですけど(笑)」
間宮「僕も“青春コンプレックス”をいまだに少し引きずってるかな」
野村「何それ(笑)」
間宮「それこそ『恋仲』みたいな、ザ・青春!という思いを自分はできずに終わったという、コンプレックスがあるんです(笑)」
野村「まあ、男性も共感できる部分はいろいろある作品ですよね(笑)。あと原作ファンの人は、本来ならこういう作品に触れないような人にぜひ広めてほしいですね。見たことの無いものを見るチャンスを作ってあげてほしいな、と思います」
自分の中に眠る“14歳”が目覚めてしまうかも?
(本紙・秋吉布由子)
監督:内藤瑛亮 出演:野村周平、古川雄輝、中条あやみ、間宮祥太朗他/1時間54分/日活配給/2月13日より新宿バルト9にて公開。2月27日より全国拡大公開 http://litchi-movie.com/http://litchi-movie.com/ R15+