東京五輪招致委が「実績のある代理店」に2.2億円送金

新国立競技場

 フランス司法当局は12日、2020年東京五輪招致をめぐる巨額の資金振り込みに関して、捜査を開始した。これはフランスの検察当局が声明を発表したもので、声明によると、日本の銀行から13年7月と10月に東京五輪招致の名目で、国際陸連(IAAF)前会長で国際オリンピック委員会(IOC)委員だったラミン・ディアク氏の息子に関係するシンガポールの銀行口座に計280万シンガポールドル(約2億2300万円)が振り込まれたことが判明。また、同じころにディアク氏側がパリで多額の金銭を支出していたことも確認したとしている。ディアク氏は当時、IOC委員として五輪開催都市決定に影響力があったとされる。

 この問題で当時の招致委員会理事長で、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長は13日、「そんな事実はない」と否定した当初の対応から一転し、招致委が送金した事実を認めた。

 16日には竹田会長が衆院予算委員会に参考人として呼ばれる事態に発展。招致委から約2億2000万円を送金したシンガポールのコンサルタント会社「ブラックタイディングス」との契約について、開催都市決定直前の2013年8月にモスクワで開かれた世界陸上選手権におけるロビー活動の情報収集が主目的だったと説明。同社は陸上関係者に影響力があり、竹田会長は「最終段階までの情報収集など、効果的なロビー活動の詰めにおおいに役立った」と成果を強調。「ペーパーカンパニー」との指摘も否定した。

 一方、同社の現状については「把握していない」と証言。また疑惑発覚後、支払った金銭の使途について、同社側に改めて確認したかとの質問に「確認はいたしておりません」と答えると、出席議員からは驚きの声も漏れた。