ショートフィルムの映画祭『SSFF & ASIA』グランプリ発表
アジア最大級の国際短編映画祭『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア 2016』(SSFF & ASIA)が、今年も盛況のうちに閉幕。13日に行われたアワードセレモニーでは、気になるオフィシャルコンペティションなどが発表。はたして今年、米国アカデミー賞を目指すのは!?
「ショートフィルムの魅力を伝えた」グランプリ受賞作
ショートフィルムの国際的な祭典にしてもはや欠かせない名物映画祭となっている『SSFF & ASIA』。ショートフィルムの魅力を日本に紹介するべく誕生し、回を重ねるごとに規模が拡大。日本、アジア、そして世界各国から応募作品が寄せられる国際的なショートフィルムの映画祭として成長してきた。近年では出品国の広がりだけでなく、映像以外のジャンルとのコラボレーションも次々と展開。メディアをクロスオーバーするショートフィルムの可能性にいち早く着目し、毎年新たな試みに挑戦している。18回目を迎えた今年も昨年同様、一部の有料イベントを除いて無料上映ということもあり、連日多くの観客を動員。音楽、ファッションなどのカルチャーや、環境や平和などの社会問題などを通して映画祭に興味を持ったという人も多かったようだ。
今年、オフィシャルコンペティションの発表は映画祭の中盤、13日のアワードセレモニーにて実施。インターナショナル部門優秀賞にはハンガリー出身のクリストフ・デアーク監督の『合唱』、アジア インターナショナル部門優秀賞には韓国のゴン・キム監督による『キープ・ゴーイング』、ジャパン部門には八代健志監督の『眠れない夜の月』が選ばれ、『合唱』がグランプリに輝いた。「まさかこんなことになるなんて」と感激しきりのデアーク監督。「主演女優や合唱隊の子役たちに本当に感謝しています」と喜びを語った。グランプリを受賞した本作は2017年2月開催の第89回アカデミー賞短編部門ノミネートの選考対象となる。来年、デアーク監督がオスカー像を手にする姿に期待したい。発表を終えた審査員たちも出品作のレベルの高さを高く評価。その1人、黒木瞳は「なぜそのテーマを選んだか、コンセプトがしっかりと伝わってくるのがショートフィルムの面白さだと思う」とコメント。同じく加藤雅也は、良作が多かったとしながら「その中でもショートフィルムならではの表現と、エンターテインメント性を持った作品を選ばせて頂いた」と審査を振り返った。
映画祭は26日に豪華ゲストを迎えてのクロージングセレモニーで閉幕した。
EXILE HIROプロデュースの新プロジェクトを発表!
近年のアワードセレモニーでは、来年の映画祭の目玉となる新企画が発表され、グランプリ発表とともにニュースになっているが、今年もセレモニーのエンディングでビッグプロジェクトが発表となった。題して『CINEMA FIGHTERS(シネマファイターズ)』。同プロジェクトは、EXILE HIROがプロデュース、同映画祭代表の別所哲也がクリエイティブディレクターを担当し、注目監督らが人気作詞家・小竹正人が作詞を手掛けた楽曲の世界観を映像化するというもので、キャストにEXILE TRIBEのメンバーを起用し、全6作品を制作する予定。プロジェクト発表には、別所、HIROとともに、そのうちの1作品を担当する映画監督・河瀨直美も登場。「河瀨さんをはじめ才能ある監督さんたちに、小竹氏の世界観を表現してもらいたい」と期待を寄せるHIROに、河瀨監督は「楽曲を聞いて、高校生のころの胸がキュンとする感じのイメージが浮かび、すでに製作に入っています」と頼もしいコメント。カンヌ映画祭の常連でもある河瀨監督とEXILEのコラボから、どんなショートフィルムが生まれるのか楽しみだ。プロジェクトで製作された作品は来年の映画祭で上映される予定。
【オフィシャルコンペティション】
グランプリ/インターナショナル部門 優秀賞:『合唱』(クリストフ・デアーク監督/ハンガリー)
アジア インターナショナル部門 優秀賞(東京都知事賞):『キープ・ゴーイング』(ゴン・キム監督/韓国)
ジャパン部門 優秀賞(東京都知事賞):『眠れない夜の月』(八代健志監督)
【CGアニメーション部門】
優秀賞:『アイスコーヒー』(フランソワ・ルロワ、ステファニー・ランザック監督/フランス)
【Fashion Short of the Year 2016】
『Comfort』(グラント・クラトラ、ルイ・レヴィ監督/フランス)
【Brillia New Luxury アワード】
『アナザー ティー?』(古波津陽監督/日本)、『思いやり』(ブラミール・ビスカーヤ監督/コロンビア)
【ひかりTV アワード】
『ソシオパス』(A.T.監督/日本)