車いすバスケに小学生が大興奮! 都知事「あきらめないことが大切」
子どもたちが夢や目標を持つためのきっかけづくりを目指す『夢の課外授業』(主催:二十一世紀倶楽部)の最新授業が11月8日、千代田区立和泉小学校で行われた。スポーツ、エンターテインメント、メディアなどさまざまな分野におけるトップランナーたちが小学校や中学校を訪れて特別授業を行うもの。この日は『CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業』(主催:CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業プロジェクト実行委員会)として、車いすバスケットボールでシドニーパラリンピック代表・キャプテンの根木慎志氏が講師を務めた。
和泉小学校の体育館は歓声と熱気で包まれていた。この日、体育館で行われていたのは『CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業』。その授業の一環で、車いすバスケットボールのミニゲームが行われていた。ひとつでも多くゴールを決めようと、ドリブルをしパスを回してボールを追い続ける仲間たちの一挙手一投足に、「頑張れ!」「もう1回シュート!」と、応援の声はどんどん大きくなった。
授業開始から児童たちは前のめりだった。講師を務める車いすバスケットボールでシドニーパラリンピック代表キャプテンの根木慎志氏が登場すると、児童たちは歓声と拍手で大歓迎。ものすごいスピードで体育館を一周する根木氏の姿を、体をぐるりと回して追いながら「すごい」「速い」と友達と顔を見合わせる。先生の話を聞いていた神妙な顔つきとは違う、キラキラした表情だった。
「車いすバスケットボールを知ってから、いろんなことに気付いたし学びました」と根木氏。パラリンピックに出場を果たし、チームキャプテンも務めた根木氏は今、さまざまな機会を通じて車いすバスケットボールの魅力を広く伝える活動をしている。『CHALLENGED SPORTS 夢の課外授業』への参加もその一環だ。
車いすバスケットボールを知るためには自分の目で見て体験してみることが大切と授業はミニゲームが中心。競技に使う車いすの仕組みや、車いすバスケットのルールの説明をすると早速ゲーム開始。授業にゲスト参加した鈴木伸之(劇団EXILE)、Aya(E-girls/Dream)、元Jリーガーの水内猛氏それぞれを軸としたチームを作り、5対5の5分間のゲームで次々に対戦した。ゲストによるデモンストレーションを見ただけにも関わらず、児童たちは手慣れた様子で車いすを操作。ボールをゴール下へ運んではシュートを放った。試合後には「何にも言えねえ」「チョー気持ちいい」のフレーズも飛び出し、児童たちは車いすバスケットボールの魅力に触れられたよう。その一方で、「難しい」「ゴールが高かった」「(車いすの操作が大変で)手が疲れた」など車いすバスケットボールの選手たちの気持ちも感じられたようだった。
この日の授業には小池百合子都知事も顔を見せた。児童の歓迎を受けながら、自ら車いすに乗ってゲームに飛び入り参加。ゴール下で何度もパスを受け取ってシュートを放つも外れまくりだったが、試合終了ギリギリで見事に1本決めた。小池都知事は「車いすになると低くなってしまってシュートするのはとても大変でした。でも、根木さんのように車いすバスケットの選手たちは相手をけん制しながらボールを追いかけてゴールを決めるんだよね。みなさんもいろんなスポーツをしてあきらめないで最後まで戦って行ってください」。さらに、2020年の東京オリンピックパラリンピック大会に向けて、「みんなでワクワクする大会にしましょう」と付け加えた。