「空気を読む」の正体に迫る 二兎社公演41『ザ・空気』
2014年に森鴎外をモチーフとした『鴎外の怪談』、2016年は女流作家・樋口一葉の生涯を描いた『書く女』と明治期を舞台とした作品が続いた二兎社だが、今回は日本の「今」を描く現代劇。それもテレビ局の報道現場というメディアの最前線で、実際に起こっているであろう問題を題材に、昨今の日本全体を覆う「空気を読む」という独特の現象の正体に迫る。
舞台はある大手テレビ局の報道局の一角。その日の夜、局の人気報道番組で、ある特集が放送される予定だった。近頃では珍しい力の入った「調査報道」。デリケートな内容とあって、局内でも慎重に扱われてきた案件なのだが、放送数時間前になって局の上層部から突然の内容変更を命じられ、現場は大混乱に陥るのだった。
テレビの報道現場という見知ってはいるが身近ではない場所を舞台に喜劇のスタイルで描くことで、観客には俯瞰した状態でこの現象の正体が提示される。ただそれは“向こう側”だけのことではなく、我々自身のことでもある。
笑った後に「う?ん」とちょっと考えさせられる作品だ。
【日時】1月20日(金)? 2月12日(日)(開演は日火木14時、水土14時/19時、金19時。※21日(土)は14時の回のみ。月曜休演。開場は開演30分前。当日券は開演1時間前)【会場】東京芸術劇場シアターイースト(池袋)【料金】全席指定 一般5600円/25歳以下割引3000円/高校生以下1000円 ※25歳以下割引と高校生以下割引は枚数制限あり。要証明書提示。東京芸術劇場ボックスオフィス、チケットぴあ店舗にて取り扱い。【問い合わせ】二兎社(TEL:03-3991-8872=平日10?18時 [HP] http://www.nitosha.net/ )【作・演出】永井愛【出演】田中哲司、若村麻由美、江口のりこ、大窪人衛、木場勝己