大阪で大阪の俳優たちと制作 庭劇団ペニノ『ダークマスター』
(写真・Takashi Horikawa)
この『ダークマスター』は1995年にヤングチャンピオンという青年漫画誌に掲載された漫画を原作とする作品。
舞台は超一流の腕を持つが偏屈な人間性と極度のアルコール中毒のため、全く客が来ないマスターが一人でやっている小さな洋食屋。そこにある日、一人の若者が東京から客としてやってくる。マスターは「自分の代わりにここのシェフになれ」と提案するが、若者に料理人の経験はない。マスターは若者にイヤホン型の小型無線機を渡し、自分は二階に隠れ、無線を使って若者に料理の手順を伝えるというのだが…。
かつて2003年に駅前劇場、2006年にこまばアゴラ劇場で上演されたこの作品。今回は3年間に渡り、タニノが大阪に足を運び、大阪の俳優とワークショップを重ねて制作。物語の舞台も大阪に変え、大幅に脚本も書き換えて昨年5月に大阪で上演した。
もともとこの作品に「資本主義社会の支配/被支配体系をユニークに表現した作品」という印象を持っていたタニノ。この3年間の大阪は橋下徹大阪市長が活躍するなど激動の時期。そんな世相が作品にどのような影響を与えたのかといった点も注目して見てみたい作品。
【日時】2月1日(水)?12日(日)(開演は平日19時、土14時/19時、日14時。※9日(木)は14時の回あり。7日休演。開場は開演30分前。受付開始は開演1時間前)【会場】こまばアゴラ劇場(駒場東大前)【料金】整理番号付自由席 前売3700円、当日3900円、学生3000円【問い合わせ】庭劇団ペニノ(TEL:080-4414-2828 [HP] http://niwagekidan.org/ )【原作】狩撫麻礼【画】泉晴紀 (株)エンターブレイン「オトナの漫画」所収【脚色・演出】タニノクロウ【出演】緒方晋、井上和也、大石英史、FO ペレイラ宏一朗、坂井初音、野村眞人 ほか