脱こじらせへの道 第41回 AV女優は「ただ裸になればいい」だけなのか?
今年は「男女の意識の違い」というところに焦点をあてているこの連載ですが、前回の記事の最後でも「女性向けAVに求められているものにも変化が出てきている」というようなことに触れました。
実際に、自分たちでサイトを運営していて女性向けAVをめぐる環境にも変化を感じる部分がいくつかあります。
たとえば、出演男性。
サイトオープン時は、まだ女性向けAVの認知自体が低く、出演交渉をしようと声をかけると話を聞いてくれる人も少なくはありませんでした。
ところが、女性向けAV自体が知られてきたからか、この2?3年は警戒する男性も現れるように。
それまでは消費する側だった男性にとって、自分がAV作品の一部として消費されることに抵抗を抱くのでは、と思います。
また、女性ファン。
男優さんのファンが増えたのはもちろんですが、恵比寿マスカッツなどをテレビで見かける機会も増え、女優さんを応援する女性も増えてきましたよね。
GIRL’S CHのサイト自体を応援してくださる方もいて、嬉しい限りです。
では、それを踏まえて、今回のアンケートを見てみましょう。
6割以上が興味あり!? 見るのはOK、出るのは……AV出演に興味ある?
「興味あり」という人が半数を超えた結果となりました。
驚きませんか!?
しかし意見を細かく見ていくと、「身バレしなければやりたい(または、身バレが怖いからやりたくない)」という意見がとても多い。
好きな出演者とできるなら出演してみたい、日常では体験できないことをしてみたい、などという興味から、アダルトビデオの世界に興味を抱くというのは男女ともに同じ意見なのだなという感想をいだきました。
一方で、AV出演についてのイメージは実状とは異なる部分も多くあります。
現在はAV出演したいという女性も少なくないため、誰もが裸になるだけで多額の報酬を得られるということはありません。
まずは容姿やキャリアによってスタートラインは大きく変わってきます。
Twitterやイベントなどで作品を見てくれた人と交流し、人柄でファンをつけていく地道な作業が必要だったりもします。
企画ものでは覚えなければいけない設定やセリフがあったりと、演技力や記憶力が求められます。
「ただ裸になればいい」というわけではありません。
インターネットの普及により、女性にとってぐっとAV業界は身近になりました。
それは動画を見ることのみならず、出演することにも当てはまります。
事務所を調べたり、出演応募するのも、スマホひとつあれば可能です。
昨今はスカウトに対する取り締まりが厳しくなった反面、女性からアプローチすることは容易になってきました。
容易になってきたからこそ、まわりの人に出演を知られることによるリスクを想定せず応募し、活躍できたものの後悔してしまう……ということもあるのかもしれません。
日本社会のおいては人前で裸やセックスを晒すことをネガティブに捉える人は少なくありませんからね。
インターネットで情報をすぐに得られるということは、他人に自分のことを知られる機会も増えるということ。
特にこの2?3年での進歩は凄まじいものがあります。
これまでと同じように行動していては、アダルトの身バレだけでなく個人情報が危険にさらされる可能性が高まっています。
そういった、私達の感覚とテクノロジーの進歩度合いの差異も、メディアで取り上げられるようなAV出演に関する悪いニュースに影響しているのかもしれません。
GIRL’S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL’S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL’S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。
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