サッカー日本代表 13日イラク戦に問題山積
サッカーの国際親善試合「キリンチャレンジカップ2017」(6月7日、東京・味の素スタジアム)で男子日本代表(サムライブルー)がシリア代表と対戦し、1?1のドローに終わった。6日後の13日に控える「2018 FIFAワールドカップ(W杯) ロシア」のアジア最終予選、イラク戦に向けたシミュレーションと位置付けられた試合だったが、攻撃の中心である香川が接触プレーで左肩を痛め、前半10分に早々にベンチに下がったこともあり中盤が機能せず低調な内容に。すっかり代表のレギュラーとなった原口、ここ数戦で本田から右ウイングのポジションを奪った格好になっていた久保、岡崎を押しのけ先発に名を連ねた大迫もほとんど見せ場を作ることができなかった。
後半開始からその久保に代わり本田が登場。しかし後半3分にはシリアのジェニアトが上げた右クロスをマルドキアンにヘッドで決められ先制点を許してしまう。
嫌なムードが漂ったが後半13分、左サイドでボールをキープした長友がゴール前に低いクロスを放り込むと中盤から走り込んできた今野が右足で決め同点に追いついた。
本田以降もハリルホジッチ監督が井手口、乾、浅野と交代のカードを次々と切ると徐々にペースをつかみ始めた日本。特に乾が入ってからは攻撃のリズムが一変。中盤、あるいは右サイドの深い位置からの本田のロングパスが左サイド前線の乾の足元へぴたりと決まる場面も再三見られるなど、低調ななかでもいくつかのオプションが試された。
試合後の会見ではハリルホジッチ監督は「試合の入りが良くなかった。(香川)真司のケガのあと、我々は自分たちの形ができなかった。特に中盤で問題があった。守備でも攻撃でも相手にコントロールされてしまった」などと不満を口にした。そして「ドローで終わることによって我々にとって警告となる」とし、イラク戦に向けて「何人かの選手とはこれから少し厳しく話さないといけないかもしれない」と話した。
政情も不安 イラク戦開催のテヘランで同時テロ発生
W杯アジア最終予選のイラク戦はイラクが政情不安で最終予選をホームで開催することができないため、中立地のテヘラン(イラン)で開催されることとなっていた。
そのテヘランの国会議事堂と郊外のホメイニ廟が7日、武装グループにほぼ同時に襲撃され多くの死傷者が出た。イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)が系列の通信社を通じて犯行声明を出した
国会議事堂が襲われたのは7日午前10時ごろ。少なくとも4人の女装した犯行グループが入り口を爆破し、警備員らに発砲して建物内に侵入し、内部で銃を乱射した。発生から約5時間後、治安当局が4人を殺害して制圧した。
それから約30分後、今度はテヘランから南に数キロ離れたホメイニ廟の入り口付近で犯行メンバーの1人が自爆し、別の1人は射殺された。
左肩関節前方脱臼と診断
香川が戦線離脱
代表、クラブともに好調なプレーを続けていた香川真司はシリア戦の前半7分の接触プレーで左肩を痛め、10分に倉田秋と交代した。香川は左肩関節前方脱臼と診断され、日本サッカー協会は8日、イラク戦(13日)を前に香川のチーム離脱を発表した。