「Krush.77」一夜明け会見 卜部弘嵩「本当に悔しい。試合ですべてを取り返したい」
「Krush.77」(7月16日、東京・後楽園ホール)の一夜明け会見が17日、都内で開催され「日本vs中国・6対6全面対抗戦」に出場した12選手が登壇した。
選手に先駆け中国のグゥオ・チェンドン氏、チャイニーズ・ファイティング・プロモーション代表の岩熊宏幸氏、そしてkrushの宮田充氏が会見に臨んだ。
チェンドン氏は「昨日は初めての試みとしてネットでライブ配信を行ったが、そのヒット数が70万ビュー。これは中国の他の格闘技イベントの約10倍。これからも再放送などでもっと伸びると思う。試合はエキサイティングな試合の連続でイベント的にも試合的にも大成功だったと思う。日本は格闘技において一流の国で日本の選手は強いという印象を持った。イベント的にも学ぶところは多かった」
岩熊氏は「ネットのライブ配信は多分100万ビューはすぐにいくと思う。これは有料制なので、これは新たなビジネスモデルになるのではないか。今回はジェン・ジュンフェンのように新しい選手を発掘できた大会だった。中国国内では試合はもとより、日中リングアナ対決やラウンドガールが好評だった。今後もこういうコラボが続けていければ。試合自体は日本からみたら2勝4敗だったが、その2勝は非常に価値のあるものだったと思う」
宮田氏は「ここ数年で中国の格闘技が伸びていると実感している。そんななかで中国人ファイターを単に日本人選手の相手ではなく、中国人選手が主役になるような大会ができないかという思いから企画したのが今回の対抗戦。それがファンの皆さんに熱い試合を見せることができて、こうやって笑顔で一夜明け会見をできたことはうれしく思う。これを始まりに今後いろいろな展開が考えられると思う。これからもより楽しんでいただけるようなイベント作り、マッチメイクを岩熊さん、グゥオさんと一緒に考えていければと思っている。これを始まりにしていきたい」などとそれぞれ話した。
またチェンドン氏は野杁正明、卜部弘嵩、卜部功也、ゲーオ・ウィラサクレックらの名を上げ「来年1月末から2月の中国で春節を祝う時期にぜひKrushのトップ選手を中国のリングに招聘したい」と話した。
今回2勝4敗に終わったことについて宮田氏は「最後、2勝3敗の状況で卜部弘嵩選手には勝ってほしいな、という思いは正直あった。もちろん日本人選手は勝つことを大前提に戦っていたので勝ってほしいなと思っていたが…。2勝4敗はちょっと残念ですが、それよりイベントが成功したことのほうが良かったかな、と思う。例えば、昨日の試合に出ていない選手の中にも“俺が出れば勝ち越せたのに”といった思いが多分あるはず。そうやって続いていくことのほうが大事。2勝4敗というのは、逆に勝ち越すよりも意味があったのかなと思う」と話した。
続いて中国チームの6選手が登壇。里見柚己に勝利し、試合後に武尊戦をアピールしたワン・ジュングァンは「昨日の試合は自分の理想とするファイトスタイルではなかった。少し反省点が残った」と語った。メーンで卜部弘嵩を破ったジェン・ジュンフェンは「卜部選手はとても強い選手だった。自分は勝つことができたので、今回こういういい試合をできたことを皆さんに感謝したい」と話した。
敗れたユン・チーとドン・ザーチーはやや言葉少なだったが、6人ともKrush、K-1への再びの参戦と中国で日本人選手と戦いたいという希望を口にした。
一方、日本チームの面々はやや渋い表情。
里見柚己は「ワン選手は体がめちゃくちゃ強くて、本物の選手だと思った。完敗しちゃって、応援してくれた方には申し訳ないんですが、またすぐに練習を再開して頑張りたい」
佐野天馬は「とりあえず勝ててほっとしている。昨日の試合では試合中に気づくことが多くてまだまだ強くなれるな、と感じた。これからも頑張ります」
瑠輝也は「今回の試合に向けて作戦を毎日立て、毎日相手の映像を見て、やってきたことが全部あてはまって今回の結果になったと思う」
渡部太基は「日本とKrushを背負って中国勢と戦って敗れてしまったが、すごくいい経験になった。試合もすごくやっていて楽しく、久しぶりにやり切ったといえる試合ができたと思う」
小宮由起博は「すごくいい蹴りをもらってふらついてしまったが、すごくいい勉強になった」
再起戦でまさかの敗北を喫した卜部弘嵩は「本当に悔しい気持ちでいっぱい。ファンの皆さんや応援してくださった皆さんの顔を見て、また悔しい気持ちがこみあげてきます。本当に悔しいです」
とそれぞれ語った。
また弘嵩は対戦したジェンについて「大きく感じた」と話した。今後については「僕らファイターは戦うことでしか表現できない。悔しい気持ちはありますが。ファンの皆さんの顔とか応援してくれる人の顔を見て、“がっかりさせちゃった”という思いもあるので…。それも試合でしか見せることはできないので、今はとにかく立ち止まることなく、僕がやってきたことは間違いではないと思うので、とにかく今すぐにでも試合がしたい。試合ですべてを取り返したい。試合をすることでしか、今の気持ちを表現できない」と話した。
6試合中唯一のKO勝利の瑠輝也は「相手はパンチがめちゃくちゃ強くて、ラウンドを追うごとにどんどん勢いを増してくる選手。なので早い段階で、自分のほうが攻撃力はあると思ったので、腹を効かせてからいろいろなところに攻撃して意識を散らせて、最後は絶対にヒザ蹴りで仕留めるって決めていました」と試合を振り返り、「Krushの63のベルトが欲しいとずっと言ってきたが、ウェイ・ルイと延長判定までいったドン・サーチ―に1RでKO勝ちしたので、ウェイ・ルイと戦いたいという気持ちが増した。倒したい」と話した。