武尊、弘嵩ら8選手参加で「スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」開催【3・21 K-1】

神妙な面持ちで会見に臨んだ武尊(左)(撮影・上岸卓史)

小宮山、郷州、スアレック…思わぬ豪華な顔ぶれのトーナメントに
 K-1実行委員会が2月7日、都内で会見を開き、「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に出場する武尊の対戦カードを発表した。

 当初は王者・大雅に武尊が挑戦する「K-1スーパー・フェザー級タイトルマッチ」が予定されていた。しかし大雅の所属するTRY HARD GYMの契約トラブルにより大雅が不出場。これに伴い大雅の王座はく奪の措置が取られ、空位になった王座を武尊を含む8選手による「第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」で争うことになった。

 カードは1回戦が①卜部弘嵩vs皇治、②小宮山工介vsスアレック・ルークカムイ、③武尊vsスタウロス・エグザコスティディス、④郷州征宜vsティムール・ナドロフ。①と②、③と④の勝者で準決勝を戦い、その勝者で決勝となる。

 会見には武尊、皇治、小宮山、郷州、スアレックが出席。

 昨年、王者である大雅にKO勝ちしたスタウロスは「自分と武尊の試合は事実上の決勝戦。K-1のベルトを母国に持って帰ることは自分の使命」とコメントを寄せた。

 スタウロスと対戦する武尊は「今回、カードが変わってしまった時に一番に考えたことは、3月の大会がファンの方や応援してくれる方や楽しみにしてくれた人たちががっかりしてしまうのが一番悔しということ。なので、それよりもっと面白いと思ってもらえるにはトーナメントしかないかなと思った。最初このトーナメントの話を聞いた時に、もともと大雅戦に向けた練習をしていたので、いろいろと考えるところはあった。あとは同じトーナメントにジムの先輩で本当の兄のような存在の卜部弘嵩選手が出るという話を聞いた時に“僕は出場辞退したいです”ということも言ったんですが、でもファンの方が見たいのはK-1は最高の大会だということだと思うので、そのために僕は人生をかけて全力で戦いたいと思います。絶対優勝します」と話した。

 弘嵩はインフルエンザで欠席のため「このトーナメントの話をいただいた時、まず最初に武尊のことを考えた。過去に弟の卜部功也と世界の頂点をかけて二度戦っている。武尊も弟同然に過ごしてきたので、これも宿命なのかと思いながら複雑な気持ちでいます。ただ出場する以上は元王者として、兄貴として負けられないという思いがある」などとコメントを寄せた。

 このコメントに対し、対戦する皇治は「ワンデイトーナメントと聞いて最初、しんどいし嫌やな、と思ったんですが、まあヒロやん(弘嵩)は俺と戦う前から倒れとるし。はよ風邪、治しとけという感じ。まあタケポンのこと心配しとるみたいやけど、自分の体を心配して。1回戦はボコボコにしたろ、という感じ」といつもの調子でこき下ろした。

 またスアレックは「今回はムエタイが№1であるということを証明したい」、小宮山は「郷州選手とスーパーファイトの予定だったが、郷州選手とは決勝でできればいいかなという感じ。スアレック選手もすごく強そうなんで頑張ります」、郷州は「格闘技に興味を持ったのもK-1がきっかけ。1度やめてから格闘技を再開したのもK-1。そのようなイベントに、しかもベルトをかけたトーナメントに参戦できるのは本当にうれしいこと。高校時代の高校野球では甲子園でベスト4だったが、この夢の舞台のK-1では優勝を勝ち取りたい」とそれぞれ話した。

リザーバーの横山、皇治、小宮山、武尊、郷州、スアレック、リザーバーの大岩(左から)(撮影・上岸卓史)

皇治が「大雅のおぼっちゃんはチャンピオンの器とは違ったんかなと思う」
 今回のトーナメントは大雅の不出場から生まれたものなのだが、皇治は「俺はよー分からんけど取りあえず言いたいのは、大雅のおぼっちゃんがすごく楽しみにしていたファンをがっかりさせたのだけは事実やから、まあチャンピオンの器とは違ったんかなと思う。あいつのせいでワンデイトーナメントになってしまったし、“何しとんねん”という感じなんですけど。まあ、その代わりに俺らが盛り上げたらええかなと思うんで、まあいつも以上に張り切って頑張ろうと思う」と痛烈なコメント。

 また武尊も「こうなったことで、僕の中では結構許せないこともあったんですが、今それを言ってもしようがない。SNSでもそれについてコメントしろということも言われたんですが、僕の中では終わったことをとやかく言っても仕方ない。3月の大会を最高の大会にするということをずっと言っていて、それだけを考えている。今回決まったトーナメントで3月21日の大会を最高の大会にして、K-1は最高だということをみんなに伝えられればいいなと思う。僕が優勝して、最高の大会にします」と改めて誓った。

 また先日、プレリミナリーファイトとして発表されていた横山巧vs大岩龍矢の一戦をリザーブマッチとすることが発表された。

 この日は先日放送されたAbemaTVの「格闘技代理戦争」トーナメントで優勝した松村英明のデビュー戦のカードも合わせて発表。昨年のK-1カレッジ-65kg王者の佐野純平とプレリミナリーファイトで対戦する。佐野はプロ戦績1戦1分。

 松村は「前回の試合同様しっかり倒してお客さんを帰したい。実績のある人たちを押しのけ、自分が一番になったので、彼らのためにもしっかり頑張りたい」、佐野は「K-1カレッジで優勝して、母校の桜美林大学からも祝福していただいた。大学を背負う思いがあるので、負けられない」などとそれぞれ話した。