MIOがMISAKIに判定勝ちで初防衛に成功【2・10 SB】

MISAKIの直線的なファイトを受け止め反撃を見せるMIO(右)(撮影・仲西マティアス)

MISAKIがついにMIOのベルトに挑戦

 シュートボクシング(SB)の2018年第一弾大会となる『SHOOT BOXING 2018 act.1』(2月10日、東京・後楽園ホール)でSB日本女子ミニマム級王者のMIOが初防衛戦に臨み、5R2-0の判定でMISAKIを破り、初防衛に成功した。

 2人は2016年6月に一度対戦。その時はMIOが前年に行われた「Girls S-cup 48kg日本トーナメント」で優勝を果たし、東京に進出。すでにRENAに次ぐ存在として頭角を現していた時期。一方のMISAKIはデビュー3戦目でキャリアには雲泥の差があった。しかしそこでMISAKIが大健闘。今につながるアグレッシブなファイトでMIOを追い込む場面も演出し、判定で敗れたものの「MISAKI」という名前をファンに大きく印象付けた。

 その後、MIOはミニマム級のべルトを獲得。その活躍は知られるところだが、MISAKIも昨年、「J-GIRLSミニフライ級」のベルトを獲得するなど実績を重ね、今回の挑戦にこぎつけた。

いつもと変わらぬアグレッシブなファイトを見せたMISAKI(左)(撮影・仲西マティアス)

1R開始早々の投げでMIOがペースを握るも…

 試合は3分×5R、3Rまでのオープンスコアシステムで行われた。

 MISAKIは「猪突猛進娘」の異名の通り、アグレッシブなファイトスタイルが信条。この日もいきなり仕掛け、パンチを打ち込んでいく。MIOもパンチで応戦。ここでMISAKIのマウスピースがずれ、そこに気を取られたところ、MIOが組み付くと綺麗な首投げでシュートポイント1を奪取。ポイントを先に奪われたMISAKIはパンチから投げを狙う展開となる。しかし投げにこだわるあまり、自らの良さを消す格好に。これにはセコンドから「投げはいらない」の声がかかる。この1Rで1人が10-8、2人が10-9でMIOを支持。ここでリードを奪ったMIOが主導権を握ることとなる。

 2R以降、自分の戦い方を取り戻したMISAKIはいつものようにパンチを放ちながら前に出る。しかしMIOは前蹴りで突進を止め、カウンターのパンチを的確に当てていく。距離が詰まると組み止め、投げを狙うなど多彩な攻めでMISAKIに連打を許さない。それでも前に出続けるMISAKI。3R終了時点ではジャッジ3者とも1ポイントMIOがリードという一進一退の攻防となる。

 残る2Rも的確にパンチをまとめるMIOとラウンドを重ねても動きの落ちないMISAKIの構図が続き、ジャッジが割れる。ひたむきにパンチを出し続けるMISAKIの驚異的なスタミナに会場が大きく沸くが、MIOのパンチでMISAKIは左目の下を大きくはらす。

 ともに死力を尽くして打ち合った5Rが終了し、試合は判定へ。判定が下る前に「まだやれる!」とばかりに自らのグローブをぶつけたMISAKI。しかし判定は1人が49-49だったが、残る2人が49-48、49-47の2-0でMIO勝利となった。

判定の瞬間、明暗を分けた2人(撮影・仲西マティアス)

MIOは3月に初舞台『女囚175』に出演

 MIOは試合後のリング上で「初めての防衛戦ということで試合前は吐きそうなくらい緊張した。MISAKI選手は前回戦った時とは別人で強かった。7月の世界トーナメントの決勝でまたやりたい思う選手。3月に初めて挑戦する舞台が決まっているので、この調子に乗って、流れに乗って、いろんなことに挑戦して成功していきたいと思っています。7月の世界トーナメントに向けて一から練習し直そうと思いました」

 そして試合後の会見では「苦しかった。延長だったらやばかった。ここから夏に向けて練習内容も変えていかないといけない。差は縮まっていた。でも次はまたここから差を広げたい。最初の投げがなかったら危なかった」などと試合を振り返った。

 またMIOは3月7日から池袋シアターグリーンで上演される舞台『女囚175』 に女囚役で出演する。

判定負け直後ののMISAKI。この試合にかけていた感情があふれ出した(撮影・仲西マティアス)