【インタビュー】DEEP「歌いたい」……10年間、ずっと思い続けてきた
コーラスグループのDEEPがニューシングル『SING』を2月28日にリリースする。10周年超え、改めて新しい一歩を踏み出す彼らの集大成であり、原点回帰であるバラード。黙っていてもにじみ出る歌や歌うことへの想いが反映された曲。彼らの新しい代表曲になることは間違いなさそうだ。
ニューヨークに行ったことで再確認「やっぱりこの4人なんだ」
――ニューシングル『SING』の発売日が迫ってきました。前作『MAYDAY』が2016年3月のリリースでしたから、約2年ぶりのリリース。
TAKA:少し、空いちゃいましたよね(笑)。
――現行のEXILE THE SECONDの全国ツアーに帯同していたり精力的に活動をしているのは見えますが……単刀直入に聞きます、なぜ2年もインターバルが空いちゃったんでしょう。
TAKA:それはですね……、僕ら、ニューヨークに行ってたんです。9カ月間かな……?
YUICHIRO:2016年の6月から2017年の3月までなんで。
――以前から行きたいと思っていて、それが実現したということですか?
TAKA:きっかけは、HIROさんですね。「ちょっと修行しておいでよ、本場の音楽に触れてきなよ」と言われまして。そんなチャンスもあまりないので、「はいっ! 行かせていただきます」と。僕たちも、変化をつけないと、変革だと話もしていたところだったので、すごくいいタイミングで背中を押してもらったんです。
RYO:……ただ、僕はビザの関係もあって行けなかったんですよ。へこみました。
――きっとまた、別のチャンスがありますよ! では、渡米組は向こうでどんな修行を?
YUICHIRO:午前中は語学学校に行って、午後はニューヨークのEXPGでダンスやボーカルレッスンをして、夜はオープンマイクですね。確か、着いて3日後ぐらいかな、最初に行ったのは。
――オープンマイクは、音楽に触れている人ならば、聞いたことがあると思います。日本のアーティストにも経験者は多いですよね。
KEISEI:僕らが参加したオープンマイクにも日本人は意外と多く来ていていましたけど、女性が多かったです。ソロとか、デュオ、姉妹とかで、僕らのようなグループはいなかった。前と比べると、アメリカにもコーラスグループはそんなにいないですしね。だから僕らがBOYZ Ⅱ MENを歌ったりすると、現地の人が声をあげて喜んでくれたりしました。
YUICHIRO:そういうことをしながらですね、向こうで音楽プロデューサーと友達になって、家に行って曲を作ったりして。すごい充実した留学生活でしたね。
KEISEI:曲も作れたし、ミュージックビデオも作れたし、ライブもできたし。精神的な変化っていうのもありますけど、形に残るものが作れたっていうのが良かったですね。知り合えたクリエイターたちに力になってもらえたし、刺激も受けましたし。
――で、RYOさん。RYOさんはRYOさんでプレッシャーもあったと思うんです。
RYO:3人は刺激を受けまくって成長して帰ってくるだろうっていうのは想像できましたから、自分にできることはなんだろうって考えてやってもらいました。ダンスレッスンやったり、いろいろ。でも少しずつ、DEEPであるとか、歌であるとか、自分と向き合う時間にもなったと思います。最初のころは本当に落ちてたんで……。
KEISEI:電話しても、出ないしね。あ、それは時差か?
RYO:正直なところ、出たくないってのもあったよ……(笑)。KEISEIが送ってくれたムービーあったよね。みんなが住んでいる家、一つだけ部屋が開いててさ……。
YUICHIRO:あそこは、パーティールームになってた(笑)
TAKA:でも僕らもみんなで行けるもんだとばっかり思ってたからね。やり切れない気持ちもありました。改めて思ったんですよ、DEEPってやっぱりこの4人なんだって。
「10年の想いを極上のバラードにして作りたい」
――その感情はもしかして、新曲『SING』の始まりだったのでは?
TAKA:ニューヨークから持ち帰ってきたものRYOを含めて話して、こういう音楽もやりたい、ああいいうのもいいねって。一周して、原点回帰的な『SING』にたどり着いた感じはあります。
――具体的にどのように制作されたのでしょうか?
TAKA:結成10年を迎えたいま、リリースするなら、曲はバラードだと思いました。DEEPはR&Bテイストで、ブラックミュージックに影響を受けていますが、勝負するなら渾身のバラード。作るなら極上のバラードにしようと。それで、作曲してくださった春川仁志さんに「10年の想いを極上のバラードにして作りたい」って、お願いしました。春川さんはデビュー当初からのコーラスの師匠で、親父みたいな存在で、僕たちを一番理解してくれている方。春川さんが見たDEEPを作ってみるとおっしゃってたんですけど……いただいたデモを4人で聞いて感動しちゃいました。 KEISEI:すべて分かってるんですよ、春川さんは。
TAKA:『SING』というタイトル、テーマも、すぐ決まりました。10年の間、思い続けていることってなんだ、それは4人が4人「歌いたい」ってことだって。じゃ、それを綴ろうって。
――曲に導かれたみたいな感覚でしょうか。作詞は全員でしていますね。
TAKA:自分が歌うところは自分で書こうと思ったんで、そうなりました。みんなそれぞれの想いを書いてもらって自分に送ってもらって、第一段階として僕がまとめて。
――それは、全員で書くときに、よくする手法なんですか?
TAKA:初めてですね。みんなそれぞれが想いをLINEで送ってくるっていうのは。
YUICHIRO:10年の想いっていうものだから、歌詞はリーダーだしTAKAさんが書くべきというのもあって。ただ、それぞれ書いて送ろうというのはみんなで考えるなかでそうなりました。
――グループLINEでやりとりを?
TAKA:いや、それは、個々に。ダイレクトですね。だから、具体的にどんなことを書いてきたかは、僕と当人の2人しか知らない(笑)。
YUICHIRO:どんなことが書いてあったのか、一言一句は同じというのは無理ですけど、だいたい分かりますよ。想像もできる。
KEISEI:歌詞になってることですから。そこまで赤裸々?じゃない(笑)。「歌いたい」っていうのがマストであって、その上に、僕の場合は「人を喜ばせたい」って。
RYO:いろんなことがあったし、書き始めたら、すらすら書けちゃったよね。
YUICHIRO:僕は「大切な人」として家族や親戚への想いを。10年も経つと、その間に、いろんな人が亡くなるんです。その人から遠く離れていたりすると、会いたくてもすぐ会いに行くこともできなかったりして、1秒1秒って大切なんだなって。そういう気持ちを大切にしたいなって。そこに僕の「歌いたい」があるんですよね。
――最初のパートはTAKAさんですが、TAKAさんが歌っている「大切な人」って……メンバーのことですよね。
TAKA:はい。僕たちの始まりを歌いたかったんです。VOCAL BATTLE AUDITIONで、3人の歌を聞いて、出会って。その時の感覚が忘れられないんです。この3人と一緒にやったらどうなるんだろう…あの時感じたこと、グループの可能性を描きたかったんですよね。
YUICHIRO:それって『涙が落ちないように』のビデオを思い出すね。
KEISEI:当然のことですけど、エモーショナルな作品になりましたね。作品もそうだし、メンバーそれぞれもエモーショナル。濁してない。
RYO:それぞれの想いっていうのが本当にバランスよく使われていますよね。
「ライブをしたい!」「ツアーをしたい!」
――そんな渾身の作品ですが、さらにこだわった部分があるそうですね。
YUICHIRO:一発録りですね。歌も音も全部一緒に、一発でレコーディングする。
TAKA:春川さんからの提案だったんです。10年の集大成とかいう覚悟だったら一発入魂でどうかって。いいグルーヴが生まれるし、いいフィーリングで歌えるんじゃないのかってことだったんですけど……。
――それは、狙い通りに?
TAKA:いやー、難しかった(笑)
YUICHIRO:バンドさんも一緒ですしね、すごい緊張感でしたよね。
KEISEI:考えてみると、ライブと一緒なんですけどね。なんか違うんですよね。
YUICHIRO:言葉とか音程とか意識して歌わないとですから。
TAKA:思ったよね、一般的なやり方というのかな、いつもの「もう1回お願いします」ってやり直せるのが甘えだったのかなって……思っちゃった。
YUICHIRO:それはそれで、その余裕があってこそ、いい部分もありますから。
TAKA:手に汗握った!
KEISEI:何度もやっていくとウソっぽくなっていく感じもないわけじゃない。一発録りで集中してやるのはいいなって思いました。もしかしたらDEEPのスタイルかもしれないって。
YUICHIRO:ちょっとハマりそうな緊張感ではありましたね。でも、毎回ああだったらそれはそれで慣れていってしまうんだろうなと思うんで、このタイミングでできてよかったと思います。
TAKA:ミュージックビデオも一発ですから楽しみにしてほしいですね(笑)
――さて、この作品のリリースで、DEEPの2018年が本格的にスタートですね。
YUICHIRO:ライブしたいですね。
TAKA:ツアーがしたいですね。曲だって、ありますから。
KEISEI:もうアルバム2枚作れると思う!
RYO:レコーディングしたものも、してないものも、新曲もたくさんできてます。
――新曲も、ライブも楽しみにしています!
(聞き手・構成/本紙・酒井紫野)
「歌いたい!」10年の想いを込めた、珠玉のバラード
New Single 『SING』2月28日(水)発売
「ファンのみなさんあっての僕たち。みなさんがライブを見に来てくれるためにはどういう曲を作るべきか、客観的にみるというのがすごく大事だって思いは強くなった」(TAKA)。そんな思いをぎゅっと詰め込んで反映したシングル。タイトル曲はそれぞれの「歌いたい」という気持ちと、DEEPの「歌いたい」という想いを綴った珠玉のバラード。カップリングは彼らのアザーサイドが垣間見られるナンバー。ソニーミュージックアソシエイテッドより発売。詳細は公式サイト http://www.deep-ldh.com/http://www.deep-ldh.com/ で。