階級の壁乗り越え武尊が3階級制覇。そしてあの男へ?メッセージ
新生K-1において最大規模の大会となった「K-1 WORLD GP 2018 JAPAN 〜K’FESTA.1〜」(3月21日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)で行われた「K-1 WORLD GP第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメント」で武尊が決勝で小宮山工介を3R2分2秒、KOで破り、3階級制覇を成し遂げた。
当初は王者・大雅とのタイトルマッチで3階級制覇に挑戦する予定だった武尊だが、約1カ月前の大雅の不出場決定により急きょトーナメントに変更となった。もともと大雅と戦うためベストのフェザー級から無理をして1階級上げての試合だったのだが、トーナメントとなったことで1日に3試合しなければベルトにも、そして悲願のメインイベントにもたどり着けないという過酷な状況に。その中で見事に3つの白星を重ねた。
1回戦では大雅をKOで破ったスタウロス・エグザコスティディスと対戦。判定ながらも文句なしの勝利を収めた。スタウロスの強烈なパンチを食らいながらも大きなダメージを受けたようには見えない半面、フェザー級ならダウンを取れていたのでは?というパンチが入ってもダウンを取ることはできず、やはり階級の壁は大きいのか…と思わせた。
しかし武尊は準決勝で郷州征宜を1RでKOすると、決勝でも小宮山工介を3RKOで破り、メインイベントを締めくくった。
実はこれまで武尊は2回のトーナメントに出場するも決勝をKOで終わらせたのは今回が初めて。階級の壁も難なく乗り越えた格好となった。
試合後、武尊はリング上で「今日からは“新生”はいらない。K-1でお願いします。地上波のゴールデンタイム放送は僕が現役中にやりたいと思っている」などとこれからもK-1のトップランナーとして戦っていくことを宣言。そして「僕と対戦したいっていう人はいっぱいいるし、やりたいっていう選手もいる。立ち技最高のリングはK-1なので、僕とやりたいならK-1に上がってきてください。逃げも隠れもしない。K-1が立ち技最高のリングです」ともアピールした。これは昨年大晦日の那須川天心の「来年ぜひやりましょう」というアピールに対する答えと思われる。もっともかねてから武尊の主張は変わっていないのだが…。
トーナメントでは1回戦で見事なハイキックでKO勝ちを収め、準決勝では皇治に判定勝ちを収めた小宮山が多彩な蹴りで会場を盛り上げた。また元王者の卜部弘嵩と皇治の一戦は戦前から皇治の挑発で異様な盛り上がりを見せたが、延長にもつれ込む熱戦の末、皇治が判定勝ち。弘嵩は試合後「今の心境だと次はない」と進退に関わる発言を残した。
今年1月、新設された「K-1 AWARDS 2017」で武尊を押さえMVPに輝いたスーパー・バンタム級王者の武居由樹はセミファイナルで久保賢司を迎え初防戦に臨み、見事に1RKOで勝利を収めた。
この2人は昨年、「第2代スーパー・バンタム級王座決定トーナメント」の決勝で対戦し、武居が判定勝ち。そこからひきずる因縁がある久保はカード決定会見からさまざまな言葉で挑発を繰り返したが、武居は21歳とは思えぬ沈着冷静さでかわし続けた。打ち合いに勝機を見出す久保が前日会見でも「武居選手がポイントアウトしようと思ったり、守りに入ったりしたら、K-1のスーパー・バンタム級は終わります」とダメ押しの挑発をしたのだが、武居はそれに応じる形で1RKOを決めた。今後の対戦相手探しに苦労しそうな完勝だった。
昨今の格闘技界の悪しき出来事となっているのが「体重超過」。ボクシングでは3月、山中慎介と再戦したルイス・ネリが前日計量で結局1.3kgの計量オーバー。偉大なる王者のラストマッチを汚し、ファンにも大きなストレスを残した。
今大会ではライト級王者のウェイ・ルイが1回目の計量で800gオーバー。2回目でも700gオーバーで試合後に王座はく奪。挑戦者の卜部功也が勝った場合のみ王座移動という条件の下で試合が行われることに。
功也は一夜明け会見で「正直怖かった」と話すほどの状態だったが、2RでKOを決め王座に輝いた。