いくらお金があれば不安にならないのか【田口桃子の「死ぬまでモテたい」 第7回】

 先日、喫茶店にいたら、隣の席でパパ活の交渉が始まりました。

 お行儀が悪いと思いつつ盗み聞きをしてみると、女性はパパ活常連、男性は初心者といった具合でした。

 女性の言い分では、毎月の美容代に5万~6万円かかるのだが、自分が働いている給与ではそれが賄えないので、援助してくれる男性を探しているのだとか。肉体関係はもたないし、男性との出会いを求めているわけではないとも言っていました。

 一方の男性はどちらかというと心のつながりを求めているよう。ふたりの需要と供給は合致せず、最終的に女性が「パンを買ってほしい」と言って、ふたりでちょっとお高めなパン屋さんに向かっていきました。

 個人的には、毎月の美容代5万~6万円って高すぎでは?と思いますが、ネイルに美容院に化粧品に、手を出し始めたら終わりがないのでしょう。

 その美容代もパパ活の継続のために必要なんじゃないかとも思いますが、彼女にとっては美容にこだわることや、綺麗な自分にお金を使ってもらうことが何よりの楽しみなのかもしれません。

 そんな「楽しみのために使う予算」ってどのくらいなのでしょうか?今回はイベント予算について、アンケートをとってみました。

イベント参加費+物販、一回あたりの理想的な予算はどのくらい?
34% 5000円未満じゃなきゃ無理
60% 5000円〜1万円くらいならOK
5%  1万円〜3万円くらいならOK
1%  上限無し

GIRL’S CHのイベント参加費用&当日物販って…
47% 高い(から買えない!)
22% 高い(けどなんとかして買う)
29% 適当(できる範囲で応援!)
2%  安い

 総合してみると、理想としては1万円以内でおさめたいけど、実際のイベントでは少し無理して買っちゃうこともある、というところなのではないでしょうか。

 月に1~2回イベントがあると仮定したら、イベント費用として2~3万円。一般的な会社員にとっては、高い!

 ランチデートや撮影会に参加するとしたらその倍以上。

 パパ活の彼女が使っている、月5万~6万円の美容代とあまりかわりません。

 女性にとって楽しみが増えさらにそれを自主的に選択できるようになったという意味で、女性向けサービスの発展が感じられます。

 それと同時に、女性が男性に守ってもらえるという価値観が通用しなくなってきたのも事実です。

 専業主婦として夫に生活費の面倒を見てもらう、というケースは自分のまわりでも相当レアです。仮に専業になれるとしても女性のほうが「自立したい」と考えたり、仕事に生きがいを見出し、社会に出て行くことも多いと思います。

 選択肢が増えることは同時に、不安が増えるということを意味します。

 この選択で誤っていないだろうか、この選択で自分が幸せになれるのだろうか……。

 でも、そんな不安を解消するために安心も買えるようになったのです。

 化粧品を買って綺麗な自分でいること、相手に嫌われる心配なくデートすることができるようになったのです。

 前回話題にした、一緒にいる時間にお金を払うということも、不安を解消するひとつの手段といえると思います。

 というわけで、現代女性が、不安な毎日を幸せに生きるのに必要な金額。

 毎月5万~6万円あれば、わりとほとんどの不安がなくなるのでは?

 と今回のことから思いました。

田口桃子(たぐち・ももこ)
GIRL'S CHプロデューサー。2007年、新卒でソフト・オン・デマンド(株)に入社。
営業、マーケティング等の部署を経て、2012年よりGIRL'S CHの立ち上げに携わる。
以来現在まで、GIRL'S CHの現場リーダーとしてサイト運営をしつつ、オリジナル動画ではレポーター出演等をすることも。