堀口恭司が修斗2階級世界王者・扇久保博正と5年ぶりの再戦【7・29 RIZIN.11】

5年ぶりの再戦が決まった扇久保(左)と堀口

5年前は堀口が一本勝ちで修斗世界フェザー級王座を奪取
 RIZIN FIGHTING FEDERATIONが5月16日、都内で会見を開き「RIZIN.11」(7月29日、埼玉・さいたまスーパーアリーナ)で堀口恭司と扇久保博正が対戦することを発表した。

 扇久保は現修斗世界フライ級王者。2012年には世界フェザー級王座にも輝いており、修斗史上2人目の2階級で世界のベルトを巻いた選手。

 堀口とは2013年にそのフェザー級のベルトをかけて対戦し、2Rにスリーパーホールドで敗れベルトを奪われるという因縁がある。

 その後、扇久保は2014年には「VTJフライ級トーナメント」で優勝。2016年にはUFCへの登竜門であるリアリティー番組「TUFシーズン 24」に参加。同番組は優勝すれば時のUFCフライ級王者デメトリアス・ジョンソンへの挑戦権に直結するコンセプトで行われ、当時フライ級の3位だった堀口との対戦も現実的な話となるところだったが、惜しくも決勝で敗れチャンスを逃している。いわば今回は5年越しの悲願がかなった形となった。

堀口恭司

高田統括本部長が堀口に「9秒は勘弁して」
 このカードについて榊原信行RIZIN実行委員長は「バンタム級、フライ級は日本が世界をリードしていると思っているが、まだこのカードがあったか、というカード。世界中のファンに届くカード。RIZINは9月からキックのトーナメントを行うが本流はMMA。そういった我々の思いが伝わるカードが組めたと思う」と自信を見せた。

 髙田延彦RIZIN統括本部長は堀口がイアン・マッコールを9秒でKOした前戦をあげ「短時間決着もいいが、9秒は勘弁してもらいたい。2人のしのぎを削るハイレベルな攻防を1秒でも長く、日本、世界中のファンに見てもらいたい」としつつも「でも1秒で終わっても結構。最高のパフォーマンスを見せてもらいたい」と話した。

 堀口は「前回勝っているが、それは関係ない。今回もしっかり倒しにいく。日本に帰ってきて、今までやった選手たちと戦うことはあるのかなと思っていた。扇久保選手がTUFに出ていた時は同じ日本人でアメリカの団体で頑張っている選手として仲間意識のようなものを持ちながら見ていた」と話した。

扇久保博正

扇久保は「5年前に彼に負けてから1日も忘れたことはない」
 一方、扇久保は「これ以上ないという最高のチャンス。5年前に彼に負けてから1日も忘れたことはない。堀口選手をきっちり食って、5年前の借りを返そうと思っている。5年前にやったときは自分の戦い方ができなかった。それが悔しかった。この5年間はそれを払しょくするために戦っていた。この話が来た時は本当にうれしかった。(堀口のUFCでの活躍については)負けろ!と思いながら見ていた。ずっと研究はしてきた」と対照的なな反応を見せた。

 また現在、RIZINでは修斗王者が苦杯をなめているが扇久保は「この5年間の成長で、戦ううえでの気持ちが変わった。TUFなど過酷な状況下で戦ってきたので、周りは気にならなくなった。目の前の相手と戦うことに集中できるようになった。修斗のチャンピオンが負けたのは残念だが、自分は自分なので、あまりそこは気にしないようにしたい」とあくまで5年越しの雪辱戦であることを強調した。

髙田節炸裂!「9秒は勘弁」に堀口もついつい笑み

ミルコの参戦を正式発表
 またこの日は7月大会の参戦予定選手として那須川天心、そしてミルコ・クロコップの正式参戦が発表された。ミルコの相手は調整中。次の世代を託せるような若い選手を検討中で、5月25日に行われる「ベラトール200」(ロンドン)でのロイ・ネルソン戦の結果を受けて決定する。

 堀口恭司と那須川天心が出場する「RIZIN キック WORLD GP 2018」(仮称)については「RISE125」(6月17日、幕張メッセ・イベントホール)で行われるワンデイトーナメントの勝者が参加することも発表された。トーナメントはMOMOTARO、原口健飛、宮崎就斗、藤田大和が出場する。