『ダ・ヴィンチ・コード』ダン・ブラウン氏「ラングドンシリーズ最新作は“AI”がテーマ」
世界的な大ベストセラー小説『ダ・ヴィンチ・コード』で知られるダン・ブラウン氏が28日、都内の会場で最新作『オリジン』の刊行記念記者会見に出席した。
1983年、大学時代に所属していた聖歌隊のコンサートのため来日し、東京。京都、広島を訪れたことがあるというダン氏。当時のエピソードとして、地下鉄に乗ろうとわずかに手元にあったなけなしの小銭を券売機に入れたところ、なんと米が出てきたという話を披露して場を和ませた。
2月に日本で発売され、すでに22万部のベストセラーになっている『オリジン』はラングドンシリーズの5作目で、今回のテーマは“人工知能”と“進化論”。
「私は1作の著作を書き上げるのに、3~4年かかるので、その間に自分の関心が途切れないテーマを選ぶようにしている。今回人工知能(AI)を選んだのは、今まで見てきたどんな技術よりも人類に多大な影響を与えるものだと思ったから。AIは善にも悪にも使えるが私は楽観視している。核兵器や生物兵器など、人類を破壊する技術はすでにたくさんあるが、私たちが今ここに存在しているのは、人類が存続していこうという直感的な願望があるからだと思うからです」とAIをテーマに選んだ理由を説明。
また“われわれはどこから来たのか”“われわれはどこへ行くのか”という命題に挑んだことについては、「その両方の設問は、今回の小説で回答を出している。それが正確な回答かどうか、立証できるかどうかについては、あくまでも私個人の信念。ただ、そんなに遠くない将来、どこから来たかについては、事実の確認が取れるでしょう。またどこに行くのかという事については、将来的にわかっていくのではないかと思います」と答えた。
会見の最後にはKADOKAWAの会長自ら「なぜ、そんなに日本で人気があるのか」と質問。
ダンは笑いながら「それは素晴らし出版社がついているからです」と答え、「小説を書くという作業は本当に孤独です。でもそれを読者に配給し、世界中に物語を伝えるという作業が集団的に行われ、私はその素晴らしい集団の一員になれたことを誇らしく思っています」とコメント。最後に日本語で「どうもありがとうございました」と締めくくった。