「東京手仕事」プロジェクトで新たに10アイテム! 小池都知事「強く発信したい」  

都知事賞に選らばれた「ゆらぎ盆栽」。ゆらゆら揺れる様子が涼しげだった

「東京手仕事」プロジェクトの商品発表会が29日、都内で行われ、江戸切子や江戸木目込人形といった伝統工芸の技術を使い、新しく開発された10商品が披露された。

 新商品のなかから、特に優れた商品3商品が表彰された。

 東京都知事賞に選ばれたのは、江戸木目込人形(造花)の技術を使った「ゆらぎ盆栽」(職人・岡田雄二/デザイナー・平田ことこ 竹本真実)。ゆらゆらと揺れるモビールで、松や藤、椿をかたどった。

 東京150周年記念賞は刃先から柄まで鉄が一体となってつながっている新しい形状の包丁「双慶(そうけい)」(職人・石塚洋一郎 石塚祥二朗/デザイナー・杉本国雄)。型を使用せずに熱した鉄を叩いて形を作る伝統的な刃物鍛冶である総火造り技法を用いて作られた。

 東京都中小企業振興公社理事長賞には「東京本染 てぬぐいおくるみ」(職人・瀧澤一郎/デザイナー・平田ことこ 竹本真実)。てぬぐいで作った赤ちゃんのおくるみで、赤ちゃんが成長しておくるみが役目を果たしたときに、付属のキットを使い、ぬいぐるみにリメイクできるというストーリーは、会場を訪れていた多くの人の心をつかんでいた。



 小池百合子都知事は「伝統と革新が出会う”オールド・ミーツ・ニュー(Old meets New)”という、この標語を東京のひとつのモットーとさせていただいている。故きを温ねて新しきを創る、温故”創”新がいろんな手仕事の中で活かされている」としたうえで、「このような素晴らしい商品を東京だけでなく、日本全国、世界へと力強く発信して、そして多くの方に素晴らしさに触れていただきたい、ファンになっていただきたい」と、話した。

 また、2020年の東京でのオリンピック・パラリンピックを「文化の祭典でもある」とし、都として「文化伝統を世界に発信するいいチャンスとしてこれらのプログラムもしっかり組み入れていきたい。これからも東京のモノづくり手仕事による伝統工芸品を発展させて、ますます良い商品を作り続けていただきたい。私どもも応援させていただきたい」と抱負を語った。

「東京手仕事」プロジェクトは、伝統工芸の技術を活かしながら東京の伝統工芸職人とデザイナーの共同作業で商品開発を行い、開発された商品の国内外への販路開拓など普及促進を行う試み。

「双慶(そうけい)」
「東京本染 てぬぐいおくるみ」