【インタビュー】2000年生まれのAV女優・唯井まひろ、AVも「自己発信ツール」のひとつ
AVメーカーSOD(ソフト・オン・デマンド)から、2018年6月に業界初、2000年生まれ、18歳のミレニアムベイビーAV女優「唯井まひろ」がデビューする。そんな18歳のAV女優に、女性ライターの視点からインタビューした。
幼さと10代らしいふわっとした空気の残る少女
インタビュー現場に現れた女の子は、いたって普通そうな女の子だった。ショートカットに小さな顔、女優らしい洗練された可愛さもあるが、まだ幼さと10代らしいふわっとした空気の残る少女である。
「女性ライターさんとお話するの、初めてなのでうれしいです」
微笑んでくれた彼女の言葉を皮切りに、インタビューが始まった。
――では早速ですが…まひろちゃんは、なぜAV女優になったんですか?
「もともと、自己発信していく活動に興味がありました。最初はアイドルになりたくて、アイドルの養成学校に通っていたんです。でも、ダンスが苦手で、いつもコーチにみんなより一歩遅れてるよって言われてて…。アイドルは向いてないかなあと思って、悩んでいたんです。そんなときに、恵比寿マスカッツさんの存在を知ったんです。こういう活動もあるんだって知って、私もやってみたいって思ったんです」
――なるほど。アイドルとAV女優って、普通に聞くとすごく遠い存在のように思えますが…?
「うーん。私にとってはそんなに差はなかったです。一番やりたいのは”自己表現”なので、自分が向いてることや好きなことでそれができたらうれしいかなと思ったんです。マスカッツさんのことを知った時に、紗倉まなさんの存在も知って。今は紗倉まなさんが私の憧れなんです。彼女はすごくマルチな活動をされているので、紗倉まなさんのようななんでも屋さんになれたらいいなって。その中の一個に、アイドルもAV女優も入ってればいいのかなって思ってます」
――では、まひろちゃんの中で、AV出演はすごくポジティブな活動なんですね。AV出演って、すごい覚悟を持って挑む人が多いのかと思っていました。
「はい!自分の活動の最初の第一歩なので、がんばっていきたいなって思ってます。私、考えるより先に体が動いちゃうタイプなんです。百聞は一見にしかず!とか言って、初めはやってみてから考えよう、くらいの気持ちだったんですけど、実際こうしてデビューすることになって。今はやる気に溢れてるので、覚悟はなかったけど、実際すごく楽しんでます」
そう答える18歳の表情はとても自然で、心からこの場や仕事を楽しんでいるように見えた。まっすぐで無垢で、素直な言葉を返してくれているのが、話しぶりから分かった。
18歳で脱ぐ、ということに不安は?
――とはいえ、18歳で脱ぐ、ということに不安はありませんでしたか?親や友達など、周りの反応はどうでしたか?
「不安は…あります! もちろん。けど、ワクワクのほうが大きかったんですよね。やりたかったことの第一歩だったので。仲の良い友達には相談しました。がんばれって言ってくれる子も、本当にいいの?と心配してくれる子もいたけど、みんな背中を押してくれました。だから後悔は全くしていません。両親も、肯定的にやらせてくれました。私がやりたいならいいんじゃない?みたいな。もともと、のびのびと育ててもらっていたと思うので…いつも私の意見を尊重してくれるので、感謝しています」
周りから愛されているんですね! 初めてのAV撮影だったと思いますが、撮影中に驚いたこと、大変だったことはありましたか?
「経験人数が一人しかいなかったので、すべてが驚きという感じでした。まだちょっと人に見られるのが恥ずかしい時があって、カメラ目線が上手くできなかったのが一番大変でした。照れてしまって(笑)」
――経験人数一人! これはおじさんが喜びそう…。おじさんから性的な目で見られることに抵抗はありませんでしたか?
「私、おじさんのほうが好きだなあ。おじさんは可愛いです、好意を持ってくれる人も多いし。逆に若い男の人は何を考えているか分からなくて苦手かもしれません。男優さんも、おじさんのほうがやりやすかったです」
諦観のある若者らしい意見も
18歳らしいような、そうでもないような釈然とした口調で、インタビューに答えてくれるまひろちゃん。怖いもの知らずとも取れるような、逆に諦観と悟りの境地にいるような、不思議な気持ちにさせられる。
――まひろちゃんってどんな性格なんですか?
「周りの友達には、よく変わってるって言われます。だから、同年代の男の子からは本当にモテないんです。変人だから(笑)。あと、バカ正直とか、バカ真面目っていうのもよく言われます。多分真面目だったからAVにも出たのかもしれない。上手く説明できないけど…」
――分かるような気がします。最後に、これからのまひろちゃんの将来のビジョンを教えてください。
「あんまり先のことを考えるのが得意じゃないので、1年後自分が何してるかとか、全然分からないけど…今はこのお仕事を精一杯頑張っていきたいです。よろしくお願いします!」
AV出演に対するオープンな姿勢が受け入れられ始めている
今回のインタビューで印象的だったのは、まひろちゃん本人も、周りの近親の方も、皆がAV出演ということをネガティブにとらえていなかったというところだ。
よくある世論だと、「AVは一度出てしまったら一生ネット上に残ってしまう」「多くの人に痴態を晒すことになる」など、特に親世代からは圧倒的な反感を買っているイメージがあったが、まひろちゃんの両親に関してはそういうふうに考えていないようだ。
「自己発信していきたかった」と彼女は言っていたが、今日、自己発信できるツールはとても増えている。
「自己発信したいだけなら、AVじゃなくてYoutubeでもよかったじゃん」
そんな意見があるかもしれない。しかし、彼女にとってはアイドルもAVもYoutubeも、同等の「自己発信ツール」でしかなく、最初に自分に機会があったAVの世界に飛び込んでみた、ただそれだけのことだったのではないかと思う。
やはり、そこには「えろ家」紗倉まなの貢献も大きいように感じる。まひろちゃん自身「紗倉まなさんが憧れ」とインタビューでも話してくれていた。
紗倉まなのマルチな活動や知性にあふれる言動は、「自分から選択して業界に入ったのであり、”性的消費物”として流されてここにいるわけではない」という強さや主体性を感じることが多い。
世間に蔓延していた「AV出演=都落ち」というようなAV女優が必ず背負わねばいけなかった烙印のようなものが、世間や若者の中で少しずつ消えていっているのかもしれない。
このところ、女性が性に対してもっとオープンになってもいいという社会や時代の流れができつつある。
18歳の少女の背筋を伸ばしたAVデビューも、そのような流れの大きな後押しになるのではないだろうか。
取材・文/ミクニシオリ
名前:唯井まひろ
生年月日:2000年3月4日(18歳)
身長:156cm
趣味:ショッピング