【アラサー座談会】ドラマ『やれたかも委員会』を通して見えた「男女のセックス観」

最終話は初の女性相談者に対し、委員会全員の「やれた」判定

　最終話はドラマ『やれたかも委員会』初の女性相談者・岩瀬さつきさんからの相談。10年前に、結婚を控えていた岩瀬さんは、自分が働くビルに出入りしていた越田圭介さんに声をかけられ、仲良くなっていく。「入籍前に一度だけデートをしてほしい、それであなたのことをあきらめる。」という越田さんの真摯な申し出を受け入れる岩瀬さん。長く付き合って安定している婚約者とのデートは、いつもおしゃれなフレンチデート。それに対して、等身大な越田さんとの食事は、定食屋で食べるとんかつと豚汁。その飾らなさにどこか惹かれながら、デートの最後、彼に抱きしめられる。

「このままもし、彼の股間に手を伸ばしたら、今日抱いてもらえるのかな…」。そう考えながら、ただポケットに手を入れることしかできなかった岩瀬さん。しかし越田さんは、そのまま岩瀬さんと婚約者のためのおそろいのお土産を手渡し、走り去ってしまうのだった。

　この相談に対し、いつもは「やれた」の札を挙げない月綾子も含め、堂々の「やれた」３票という結果になったのであった。

約３カ月「やれたかも委員会」を見てきたアラサーたちによるセックス観会議

リサ：女性側が「やりたい」と思った時、「やれない」ってことはあんまりないですよね。

M：たしかに女性が自分から手を伸ばしたら大体やれますよね。男性の方は「やりたい」気持ちもこみこみで恋愛感情を持つことが多いけど。ていうか、女性も思うんですか？「今日やりたいなあ」とかって。

ミクニ：もちろんありますよ！ 気になる人とのデートの時なんて、何はなくとも新しい下着をつけたくなったりしますよ。

M：それって、好きな人に対してだけなんですか？ それとも、ワンナイトラブ的にしたいなってこともあるんですか？

リサ：ワンナイトの感覚は誰にでも絶対ありますよ。今回の岩瀬さんもそうだし。ただ、それをしてもいいかなって思うハードルは、男性より高いと思いますね。

ミクニ：なぜなら女性の方が「誰とでもやってしまう」ことによって世間的に下げられるバリューが男性より大きいから。

リサ：あとは本能的にも、そういう風に体が出来ていないですしね。男性はいろんな相手とたくさん遺伝子を残せるけど、女性は基本自分一人ですからね。

ミクニ：逆に男性はどういう時にやりたいって思うんですか？

M：難しいんですよね、恋愛対象として見た時点で、性欲も混ざっちゃうから。女性としてアリなら基本やりたいって気持ちもある男性が多いんじゃないかな。

リサ：ヤリチンと言われる男性たちは、女性としてアリなストライクゾーンが広いんですかね？

ミクニ：でもそういう男性の「女性としてアリ」と「彼女にしたい」って全然違ったりするよね。「やれたかも委員会」の中でも、確実に「恋愛対象としてしたい」って男性と、「今夜この子とやりたいだけ」って男性は、目に見えて分かれてましたよね。

M：こればかりはその男性の価値観によるとしか言えないです。やっぱり目に見えてすぐやれそうだなとか思っちゃうと、「女性として」はアリだからまあやってもいいかって思うんじゃないかと。いわゆるヤリチンな男性はそういう女性が好きなんじゃないですかね。

M：でも、『やれたかも委員会』を通して見ていると、「女性もしたいと思ってる？ やりたいって思ってる？」って男性が思っちゃうような機会って、思ったより多いですよね。

ミクニ：そう考えると男女のセックス観って遠いようで近いのかも？ ただ、女性の方が「やりたい」ということを態度に出すことが難しいだけで。

M：ワンナイトとしてはアリだけど、恋人にするのはちょっとなって時、あります？

リサ：あります！例えば目の前にものすごいイケメンが降ってきたとして、でもそのイケメンが女たらしで借金まみれだったとしたら…ワンナイトはしてもいいけど、彼氏にはしたくないですね。

ミクニ：見た目やオプションなど、外的要因的にアリだったら、「異性としてアリ」というハードルを越えることができて、そこに性格などの内的要因が加算されてハードルを越えると、「恋人としてアリ」になるのかも？

M：それはあるかもしれませんね。男性の方が目に見えて性欲を出してしまうけど、女性も同じような価値観でやれる・やれないを決めているんですね。

ミクニ：最近は女性でも見れるエロやセックスのエンタメコンテンツが増えてますよね。『やれたかも委員会』も、しっかり女性目線も取り入れられているし。そういうコンテンツのおかげで、女性も昔より性に対して好奇心を持ちやすくなったような気がします。

リサ：『やれたかも委員会』の中でも、「男性から言っておけば、やれたでしょ！」と思うような場面、女性の目線から見てもたくさんありましたもんね。

M：「女心って分かんねえ」とか思ってましたけど、意外と近いところにいるのかもしれませんね。

「男心と女心」について考えることで、恋愛上手になれる？

『やれたかも委員会』では、結局「やれなかった」という昔の体験談を受け、相談者の心情を知ることができ、その先の異性の行動の理由を考えることができる。そうすることで「男心」と「女心」、どちらについても考え、知ることになるのである。セックスという異性交友は、恋愛のゴールではない。しかし、「やれたか、やれなかったか」を考えることで、視聴者の「異性の考えていることはよくわからない」という恋愛の障壁を壊してくれることがあるのではないかと思う。

　昨今はネットドラマなどでも、恋愛リアリティショーが流行し「男女の心の動き」が気になるという視聴者が多いことも伺える。

『やれたかも委員会』のいいところは、答えがないところだ。恋愛にも、答えはない。『やれたかも委員会』を見て考えることも、ケーススタディの一つでしかないが、そういったことの積み重ねが、現実の人間関係に活きてくることになるのではないだろうか。

　まずは男女混同で、週末の飲み会で「やれたかも委員会」の談義をしてみてはどうだろう。あなたが今まで知らなかった男心や女心について、知ることができるかもしれない。

　最終話「太陽の塔編」を含む全話はdTV・NETFLIXで配信中。https://www.netflix.com/jp/title/80242916