BEYOND2020 未来を先取りするアイテムはコレで決まり!
テクノロジーの進化によって、私たちのライフスタイルは激変しつつある。この先の未来、我たちはどんなアイテムを持っていれば、より便利に、よりスタイリッシュに暮らしを豊かにできるのか!? アイテム情報誌「GetNavi」編集長・野村純也氏を指南役に、アイテムを介した未来を予測する!
みんなでシェアは常識に!
カーシェアリング、シェアサイクル……日本でも徐々にシェア文化が広まりつつある中、次世代のシェアサービスとして注目を集めているのが“フードシェア”だ。飲食店の余った食材や料理を、スマホのアプリを介して希望者が割安価格で手に入れることができ、国内でも「TABETE」「Reduce GO」といったサービスが登場するなど、フードロス削減の動きは活発化している。
「CtoCビジネスとしてメルカリが爆発的に普及した背景を考えると、食べ物を上手に再利用したり、交換したりするサービスが浸透する可能性は高い。昔からスーパーのタイムセールが人気を博していることからも、フードシェアが当たり前になる時代がくるのでは」(野村氏、以下同)
また、家庭内でも料理をシェアする時代が到来するかもしれない。パナソニックの「IHデイリーホットプレート KZ-CX1」は、ダブルIH熱源を採用し、2口IH調理器としても使える業界初のホットプレート。例えば、左側でIH調理器として焼き物を作り、右側でホットプレート機能を使いステーキを焼くことなどが可能となる。さらに、左右で異なる温度設定が可能となるため、料理の状況に適した過熱を双方で行えるのもうれしい。
「テーブルの上に常時置ける薄さという点も◎。テーブルで調理を行うことができれば、ご飯を作るお母さんと、ご飯を待つ家族が一緒の空間で、調理や食事を楽しめる。『先に食べていて』なんてことがなくなるコミュニケーションツールとしても効果的。パンも焼けるので、左でパンを、右で目玉焼きを作りながら、慌ただしい朝の時間を家族と共に有効活用できたり、いろいろなシーンで活躍しそう」
コミュニケーションはシンプルに
インターネットが普及し、コミュニケーションはより早く、より簡単なものになった。
「まごチャンネル」は、スマホで撮った子どもの動画と写真を、そのまま実家のテレビへ送信できる最高の親孝行アイテムだ。家族間のコミュニケーションに一役買う良品も、今後のトレンドになるだろう。
「ネット回線やWi−Fiを必要とせず、本体に通信回線が内蔵されているので、自動でインターネットに接続するというのがスゴイ。これなら機械が苦手な高齢者でも、安心して家族の動画を楽しめる。ネットが発達したことでついて行けない人たちもいます。そこをケアしたアイテムも、これからはどんどん登場するはず」
また、政府が2020年までにインバウンド4000万人を目指すと公言しているように、外国人とのコミュニケーションをサポートするガジェットも欠かせなくなる。音声翻訳機「ili(イリー)」もマストアイテム候補だ。
「旅行に特化した音声翻訳機で、オフラインだから翻訳が早い。「この料理は辛いですか?」といった、基本的に相手がイエスかノーで答えられるような質問だと瞬時に翻訳してくれるので、事前に使い慣れておくことが望ましい。ビジネスシーンなどでは能力を発揮しづらいので、iliの特性を踏まえて使うと心強い味方になると思います」
テクノロジーを駆使してマナーも向上!
ソニーモバイルの完全ワイヤレスイヤホン「Xperia Ear DuoーXEA20ー」は、ソニー独自の音導管設計によって耳を塞ぐことなく音楽などを聴くことが可能。つまり、周囲の音が聞こえるため、“ながら”で音楽を聴いていても環境音をキャッチすることができる。自らの危険性を回避するだけではなく、人に迷惑をかけないマナー向上も見込めるというわけだ。
「音漏れの心配をされる方もいると思うのですが、よほど大きな音量にしない限り心配無用。音の直進性を利用することで、ダイレクトに耳に飛び込んでくる。耳元に自分専用のスピーカがあるようなイメージですね。ワイヤレスですからジョギングをする人などにも重宝するでしょう」
専用のアプリをダウンロードすれば、現在地の天気や最新のニュースなどの情報を知らせるだけでなく、「〇〇の曲を再生して」と口頭で伝えれば、そのアーティストの曲を再生するといった機能まで備えている。まさに未来的イヤホンだ。
ながらスマホやながらリスニングだけでなく、マナーを巡っては、喫煙ルールに関しても大きな関心を集めている。たばこにおける問題点は煙と匂いだろうが、その二つを解決すると期待されているのが加熱式たばこだ。中でも、「プルーム・テック」は他社製品と比べて圧倒的に匂いを出さないため、非喫煙者からも好まれている特長を持っている。
「GetNavi編集部の奥には、副流煙のでない加熱式たばこにおいてプルーム・テックのみ唯一使用が許されるスペースがあります。パーテーションを設けただけの簡易スペースですが、ほぼ無臭であるがゆえに吸うことができる。受動喫煙に対して、最もケアしている喫煙具ではないでしょうか」
昨今では、GetNavi編集部のように、「プルーム・テックであれば」という条件付きで加熱式たばこを屋内でも使える場所が増えている。そのためプルーム・テックに乗り換える“プルーム・テッカー”もいるほどだという。
「ベランダでたばこや加熱式たばこを吸う姿を嫌がる人も増えてきています。気を利かせて外で吸っているにも関わらず、それをまた問題視される。喫煙者にとっては非常に肩身の狭い時代です。だからこそ、気兼ねなく吸うことができるほぼ無臭のプルーム・テックの存在は大きい」
喫煙者の中には、受動喫煙に対して理解を示し、非喫煙者の負担やストレスにならないように細心の注意を払っている人もいる。これはマナーやルール全般に言えることかもしれない。
「テクノロジーを駆使した未来的なアイテムが増えれば、驚くような機能を備えている製品も増えます。2020年から先の時代を考えていくときに、画期的なアイテムを使っている側だけではなく、使っていない人も「こんなアイテムがあるんだ」と理解することも必要になってくるのではないか。Xperia Ear Duoもプルーム・テックも、ぱっと見では類似製品と区別がつかないかもしれない。ですが、使用している方からすれば環境や安全面を考慮して、そのアイテムを選んでいます。次世代のアイテムは、便利という視点以外に、暮らしの役に立つもの、人に迷惑をかけないといった視点も備えている。アイテムによって意識の差異がある。それを知ることも大切だと思いますね」