サンリオエキスポで思い出した「女の子としての自分」

 サンリオの新商品展示会「サンリオエキスポ2018」が8月31日、都内で開催された。「カワイイ」のトレンドを追い続けるインスタグラマー小林令奈(@rena___tokyo)と20代女性ライターが、サンリオが日夜研究する「カワイイ」のトレンドの最先端を感じるべく、潜入した。

ハローキティはずっと「カワイイ」のインフルエンサー

 エキスポ内ではさまざまなサンリオキャラのグッズ展示やフォトスペースなどが用意されていた。一番大きくスペースを確保していたのは言わずもかな、サンリオの代表キャラ「ハローキティ」の歴史が分かるスペース。70年代に生まれ、2014年で40周年を迎えたキティは、その時代の「カワイイ」に合わせて見た目がどんどんと進化してきた。

 プロジェクションマッピングで時代ごとにを装いを変えていくキティ。自分たちが見慣れていた頃のスタンダードなマスコットキャラから、2000年代からはだんだんとトレンドのファッションを取り入れる「女の子」に変化していく。その姿はもうマスコットキャラの域を飛び越え、サンリオの考える「カワイイ」を発信するインフルエンサーとしての役割を担う一人の女の子なんだな、と考えさせられた。



 会場には、ポムポムプリン、マイメロディ、シナモロールなどの人気キャラのグッズがぬいぐるみたちと一緒に可愛らしくディスプレイされている。

「社会人になると、キャラものとか仕事的に使いづらくって……」なんてぼやくOLをよく新宿のカフェで見かけたりするが……「やっぱりカワイイものはカワイイ!」というのが素直な感想。いくつになっても、幼少の頃の「女の子」な私がちゃんとそこにいて、ふわふわなぬいぐるみたちを見ていると、なでて触ってハグしたくなる。

 オトナ女子向けに作られたシックなラインもしっかり展開されている。

 シナモロールの起毛のギンガムチェックのバッグなどは、「キャラ物はなあ」と嘆くOL女子でも気兼ねなく持てるような「ひっそりキャラ物」。キャラクター愛の強い、しかし人目の女性にはとてもうれしいグッズラインだ。

「好きなものを身にまとっている、囲まれている」という自意識でモチベーションが上がる、というのは女性的な感性なのだろうか。それが大好きなキャラのグッズだということだけで、テンションが上がってしまうものだ。



 サンリオのかわいらしいキャラクターに囲まれているうちに、忘れていたあの……「大きくてふわふわなマスコットキャラ」の包容力にやられてしまいそうになる。女の子は、いつだってカワイイものが好きなのだ。オトナになったって、その感性が消え去ってしまうわけではないはずなのに、「もうそろそろ年だから」とか「キャラ物は男ウケしない」とか、そういう外的理由から「カワイイ」ものを身につけるのをやめてしまう。

 しかし、それはカワイイものが嫌いになったわけではなく、「カワイイものが似合わなくなってきたかもしれない」という気になって、自虐的に自分からキャラ物を遠ざけてしまうのである。

 筆者は、サンリオエキスポで、忘れていた「女の子としての自分」の気持ちを思い出したような気がした。

小林令奈(@rena___tokyo)

 サンリオは今や日本を飛び越えて「KAWAII JAPAN」として世界各国の人々に親しまれている。そんなサンリオだからこそ、子どもからも「オトナ」からも親しまれるカワイイを与え続けてくれるのだろう。

 昔よりおしゃれになった女の子ハローキティ。ふわふわな見た目と触り心地で、疲れた心を癒やしてくれるシナモロールやポムポムプリン。オトナになってもピンクが大好きな女子の味方マイメロディ。昔は親にねだって買ってもらっていたけれど、オトナになった今は何でも、欲しいと思ったら買うことができる。久しぶりに、カワイイキャラクターグッズが欲しくなってしまった。

 サンリオエキスポは毎年行われており、季節やトレンドに合わせた「カワイイ」グッズがどんどんリリースされる。「最近、持ち物が地味になったなあ」と思っている女の子。「女の子なんて歳じゃないよ〜」なんて謙遜もよく聞くが、女の子は何歳になっても女の子なのだ。そんなオトナの女の子に、もう一度サンリオカワイイに触れてみてほしい。

 サンリオエキスポ2018のテーマは「ようこそサンリオカワイイプラネットへ」。世界を飛び越えて、宇宙まで届くカワイイを、サンリオはこれからも生み出し続ける。

(取材と文、写真・ミクニシオリ)