KIDさんの急逝に山本美憂が「勝って弟にいい報告をしたい」とコメント【9・30 RIZIN】
榊原氏「前向きに戦うことが弟への手向けになると思っているよう」
RIZIN FIGHTING FEDERATIONが9月20日、東京都内で会見を開き、榊原信行実行委員長が18日にガンのため亡くなった山本“KID”徳郁さんについてコメントした。
会見ではまず「RIZIN.13」(9月30日、さいたまスーパーアリーナ)に参戦する山本美憂の「この度の事で皆様にご心配をお掛けしていますが、私、山本美憂は9月30日のRIZIN.13は予定通り出場いたします。もちろん勝って弟にいい報告をしたいと思いますので応援よろしくお願いします! 皆様、沢山の励ましのメッセージを頂き本当にありがとうございます!」というコメントが発表された。
続けて榊原氏は美憂の様子について「先ほども本人と電話で話をしたが、“戦いたくて戦いたくて、リングに上がりたくて最後までガンと戦った弟に捧げる試合として必ず勝つ。勝利を弟に届けたい”という思いでリングに上がることに関しては何のブレもなくトレーニングを始めている」と話した。そして「そうはいってもいろいろな葛藤の中でこのリングに上がる山本美憂に声援を送ってほしいし、我々としても彼女が厳しい状況の中でしっかりリングに上がれるようなサポートはしていきたい」などと話した。
また「本人は気丈だった。今は試合に集中することが、悲しみやいろいろなものに引きずられないためのいいバランスになっているのかなと思う。前向きに戦うことが弟への手向けになると思っているようだ。そういうことを会話の中から感じた」と美憂の心中をおもんぱかった
9月大会参戦は美憂が直談判「ガンと戦うKIDにエールを送りたい」
またKIDさんの闘病生活についてはRIZIN側でも把握していたことを明かし、今大会の美憂の参戦については「弟に勇気や元気を届けたいということで、8月に彼女から直談判を受けた。その理由は自分が戦うことでガンと戦うKIDにエールを送りたいんだ、ということだった。一般には最後までガンであることは伝える気はなかったので、世の中の皆さんには伝わらないかもしれないけど、美憂のKIDに対する思いに応えようということで組んだカード。その時点から美憂はなにがあっても9月30日にはリングに上がろうと決めていたから、僕らにも美憂にもぶれはなかったと思う」と今回のカードが決まった経緯について語った。
KIDさんの追悼セレモニーについては「お父さんでもある郁栄さんや美憂ともいろいろな話をしている。KIDは僕らにとっても近い存在ではあったが、RIZINに出場した選手ではなく、K-1やHERO’Sの選手。その先でいうとUFCの契約下の選手。格闘技界の発展に尽力してきた同志として、最大限やれることはやっていきたいと思っている。具体的にどういうことができるかということはご遺族の方の意向も含めてやれたらいいなと思っている」などと話した。