えびフライより美味なえびカツ【午前0時に揚げてみた】
第7回 えびフライより美味なえびカツ
えびフライを作るのは面倒…。その考えが一変するレシピを料理研究家グー先生がご紹介します。安くて小さいえびだって、驚くほどリッチなえびカツが作れます。第4回あじフライと同様、フライ衣に卵は不要。小麦粉、パン粉があればOKです!
えび(殻付き)10〜12尾(約150g)
青じそ 5枚
(バジル、香菜でもよい)
<A>
小麦粉 大さじ2
水 大さじ1
塩、こしょう 各少々
生パン粉 適量
揚げ油 適量
【作り方】
1.えびの殻をむき、背ワタを除く
えびは尻尾まで殻をむく。背に包丁で切り込みを入れて、黒いものがあれば取り除く。
「えびの背ワタで取り除いていいものは“黒い色のウンチ”だけ。赤色、茶褐色、緑色のワタは“えびみそ”のようなもの。捨てたらもったいないですよ!」
2.えびを麺棒で叩いて、粗くつぶす
まな板にえびを広げ、すりこぎや麺棒などで叩いて粗くつぶす。少し粘りが出てきたらボウルに入れる。青じそを粗くきざんで加える。
「麺棒がなければ、空きビンで叩いてもOK。えびは叩くことで粘りが出てきます。尻尾の部分は食感がよくないので、しっかり叩くといいでしょう」
3.小麦粉と水を混ぜて練り、えびに加えて混ぜる
<A>の小麦粉と水を混ぜ合わせて2)に加え、手でもみ混ぜて、塩、こしょうをふる。2等分にして小さなハンバーグのような形にまとめる。ビールのつまみやお弁当に入れるなら、4等分にしてもよい。
「水で溶いた小麦粉は全体をまとめる“のり”の役割をします」
4.パン粉をたっぷりとまぶしてつける
バットにラップを広げ、パン粉をたっぷり入れる。3)を1個のせ、たっぷりパン粉をたっぷりかけて手で軽く握って形をととのえる。残りも同様にパン粉をつける。
「叩いたえびは粘りがあるので、フライ衣に卵を使わなくてもパン粉がくっつきます。さくっと揚げるために、パン粉はケチらずたっぷり使いましょう」
5.高温の揚げ油に入れて、カラッと揚げる
直径20cmのフライパンに深さ5〜6cmまで揚げ油を入れる。中火で熱して180〜190℃の高温にして4)を入れる。衣が少し固まってきたら、絶えず菜箸で油をかき混ぜながら揚げる。カリッとしてきたら取り出して油をきる。
「パン粉の色がきつね色になったら揚げ上がりの目安。1分ほどおくと余熱でも火が入ります」
【鍋は揚げもの専用鍋でなくてもOK】
【油の温度の確かめ方】
【揚げるコツ:絶えずかき混ぜながら揚げる】
【揚げるコツ:一度にたくさん入れずに油の温度を安定させる】
【油をきるバットと網がなければアルミ箔や新聞紙でもOK】
えびをキュッと集めて揚げたので、半端ないボリューム感。えびのプリプリしたおいしさも満喫できます。このリッチなえびカツを食べたら、もう普通のえびフライには戻れないかも…!
「こ、こ、これは…。贅沢過ぎです。一体この1個の塊に何匹のえびが入っているのか…。麺棒で叩いているのに、えびのぷりぷり感は損なわれず、軽く塩コショウを振っただけなのに、ソース類がまったくいらないのは、えびから旨みがもれだしているからなのか?!近くのスーパーでえびが20%引きになっていた時に大量に作って冷凍しておいたので、しばらく晩酌のつまみには困りませんでした。それにしても背ワタがウンコだったとは…。これからは面倒くさがらずに取るようにしたいと思います」
【監修】林幸子先生
料理研究家。東京・表参道の料理教室「アトリエ・グー」主宰。愛称は“グー先生”。
兵庫県出身。大手食品会社で料理開発に携わったのち、独立。料理研究家として30年以上のキャリアをもつ。栄養士、フード・コーディネーター、江戸ソバリエ・ルシック、日本茶アドバイザー、雑穀エキスパート。実生活にそったむだのないレシピが好評で、基本の料理からアイデアあふれるオリジナル料理まで得意分野は幅広い。NHK「ガッテン!」などのテレビや雑誌、書籍等でも活躍。レシピ本の著書も多数出版しているほか、台所仕事のかしこい時短テク満載の『料理研究家がうちでやっているラクして楽しむ台所術』も好評発売中。