【インタビュー】瀧川英次 主演ドラマ『警視庁捜査資料管理室(仮)』でずっと独り言

 この秋、BSフジで始まったドラマ『警視庁捜査資料管理室(仮)』が密かな話題を呼んでいる。このドラマ、フジテレビで多くのヒットドラマを手掛けた高井一郎プロデューサーと『踊る大捜査線』などでおなじみの本広克行監督がタッグを組み、「全く新しいことをやろう」というところから始まった。主人公が30分間ほぼ全編にわたり独り言で展開する推理もの、というだけでも気になるところなのだが、このドラマについて主演に抜擢された瀧川英次に話を聞いた。
撮影・蔦野裕
 この秋、BSフジで始まったドラマ『警視庁捜査資料管理室(仮)』が密かな話題を呼んでいる。このドラマ、フジテレビで多くのヒットドラマを手掛けた高井一郎プロデューサーと『踊る大捜査線』などでおなじみの本広克行監督がタッグを組み、「全く新しいことをやろう」というところから始まった。主人公が30分間ほぼ全編にわたり独り言で展開する推理もの、というだけでも気になるところなのだが、このドラマについて主演に抜擢された瀧川英次に話を聞いた。


 瀧川はもう一つの名前「赤ペン瀧川」で映画コメンテーターとして活躍中で、映画ファンにはこちらの名前のほうが通りがいいかもしれない。しかし今回は俳優「瀧川英次」としてこのドラマにがっぷり四つで取り組んだ。

 まず、このドラマ、どんな作品?

「僕が演じるのは明石幸男という警視庁技術専門官なんですが、過去の捜査資料のデータをとにかく凄いタッチタイピングで打ち込んでいくというのがその仕事なんです。そしてもともと推理モノが好きだから、仕事をしながら“この事件、おかしいんじゃないか”と気になってしまう。そこで“俺が頑張って何とか推理をしなければ遺族は報われない”といった全くいらない使命感に燃えて推理を始めるんです」

 なぜこんなドラマが誕生することに?

「高井さんと本広さんが組んでの企画なんですが、高井さん自身も10年ぶりのドラマのプロデュースということで、“全く新しいことを思い切りやりたいね”ってところから始まっているらしいんです。そうするにはベテランじゃなくて若手、情熱はあるけど計算高くできない人たちが必要だということになったそうです(笑)。そういう人たちを自由に野放しにさせるために高井さんがプロデューサーで本広さんが総監督になった。それでこの枠内だったら好きに遊んでいい、ってやらせてくれた作品なんです」

 なぜ瀧川が主演を務めることになった?

「去年の年末に本広さんからフェイスブックのメッセージが届いたんです。本広さんはもともと僕が出演している芝居を見に来ていただいたりはしていたんですが、一緒に仕事をしたことは1回もありませんでした。なのに“年末にうちで鍋をやるから遊びにこないか”と突然メッセージが来た。プライべートで会ったこともないのに何事かと思ったんですが、ホームパーティーなんだと思って手作りの豚の角煮を持って行ったんです。そうしたらそこに本広さんをはじめ今回のドラマに関わる主要メンバーが全員いました。そこで“あなたを主演のドラマを作りたい”と言われたんです。それは僕も初めて聞いた話だし、マネジャーも知らない話だった。でもそんなの断る理由は1ミリもないので“やります”って答えたら、そこからいろいろなことを説明されたんですが、そこで初めて一人芝居ということを聞かされました。主演っていったって、僕しか出ないじゃないですか、って(笑)。でも正月が明けてからもどっきりじゃないかとは思っていました。途中で企画が止まったり、僕より有名な俳優にキャスト変更とか普通にあるだろうと。ですが企画は着々と進み、次々に台本ができてくる。こりゃもう台詞入れたほうがいいなって思って、カラオケボックスにこもって台詞覚えに取り掛かるんですが、全話の自分の台詞を読み切るだけで約5時間くらいかかるんです。それをクランクインの日までに全部入れなきゃいけなかった」

 しかし5時間分の台詞量。覚えられなくても…。

「僕を抜擢した本広さんと高井さんに“さすがだな”と言わせたい。その一心で僕は台詞を入れました。最初のうちはみんな“瀧川さんすごいな”って感じだったんですが、撮影の後半になってくると台詞が入っているのがみんなのなかで当たり前になっていて、そんなにありがたがってくれないんです(笑)」

 もともと推理ものは好き?

「サスペンス映画とかスリラー映画とか推理ものはジャンルとしてはすごく好き。そこはとっつきやすくて良かった。しかもアームチェアディティクティブ、安楽椅子探偵という部屋から出ないで推理するやつは見ていても好きな部類でした」


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