第2代Krushスーパー・ライト級王者・寺崎直樹が正式に引退を発表
11・21「Krush.95」で引退セレモニーを開催
第2代Krushスーパー・ライト級王者の寺崎直樹が10月10日、東京都内で会見し、引退を発表した。「Krush.95」(11月21日、東京・後楽園ホール)で引退セレモニーが行われる。
寺崎は2014年7月に当時王者だったHIROYAに挑戦しKO勝ちを収め、スーパー・ライト級王者に輝いた。今年5月に約2年ぶりにリングに上がり、松下大紀にKO負けを喫し、ブログで引退を発表していた。
この日は改めて会見に臨み「松下選手との試合後に自分の中ではやり切った感があった。引退セレモニーをできる選手ではないと思ったが、宮田さんからこのお話をいただいた。自分ではどちらでも良かったのだが、いろいろな人を巻き込んでキックボクシングをやっていたので、男のけじめとして(引退セレモニーを)やっておくべきなのかと思った」と今回引退セレモニーを行うことについて語った。
引退については「自分の中でチャンピオンになることが夢だった。2014年にチャンピオンになることができてすごくうれしかった。その後、防衛戦をしたがモチベーション的なものはHIROYA選手と戦うときのようには上がらなかった。結果は友達のNOMANに負けてしまった。その後、辞めようと心の中で思っていたのだが、そんな中で“夢先生”という小中学生の前で講演をさせていただくという仕事をするようになってから、だんだん気持ちが変わっていった。それは自分のためというわけではなかった。子供たちに夢を語っている先生自身が夢を追っていないのはどうなのかとか思った結果、自分もまだ頑張っているところを子供たちに見せたいと思い戦っていた。結果、自分自身のためではなく、人のために戦っている部分が強く、そういう意味で結果はついてこなかった」などと王者陥落後も現役を続行したことと引退に踏み切った理由を語った。
「自分の人生の中でキックボクシングをやって本当に良かったと胸を張って言える」
夢先生というのは日本サッカー協会(JFA)が行っている社会貢献活動で、いろいろなアスリートが全国の小学校を回り、夢を持つことの素晴らしさ、それに向かって努力することの大切さなどを子供たちに伝えていくもの。寺崎は2015年から参加している。
寺崎は思い出の試合としては2012年に行われた「Krush -63kg WILDRUSH League 2012」を挙げ、「優勝する自信はあったが、初戦にTaCa選手にKOで負けてからバタバタと倒れるようになってしまった。その時は失敗の連続だったが、精神的に鍛錬されたと思う。だから印象深い。その後の梶原龍児さん、西川君との試合も忘れられない。HIROYA君に勝ったことは自信になった。人生の上でNOMANに3回負けたことは屈辱なんですけど(笑)。今はいい友達なので、そこはいいんですが…。(佐々木)大蔵選手もチャンピオンになる前に戦って、その後チャンピオンになって良かった。松下選手にはチャンピオンになってほしい。WILDRUSH以降は思い出深いことでいっぱいです」と話した。
そして最後に「自分の人生の中でキックボクシングをやって本当に良かったと胸を張って言える。若い選手たちがK-1グループや格闘技を盛り上げようと頑張っているので、これからは陰ながら応援しようと思います。長い間応援していただきありがとうございました」と締めくくった。