ビリビリで、超時短！　話題のEMSワークアウトを体験

　探偵がやって来たのはEMSワークアウトスタジオ「Evolv（エヴォルヴ）」。都内にはここ新宿店のほか、7店舗あるという。
　ちなみにEMS（Electric Muscle Stimulation）とは、電気刺激によって直接筋肉を動かすテクノロジーの事。つまり外から筋肉に負荷をかけながらトレーニングする事で、効率的に鍛える事ができるらしい。

　最初にやる事は、20カ所に電極パッドが内臓されているEMSワークアウト専用のドイツ製ボディスーツ「visionbody」を着用すること。なんというか、ウェットスーツのように体にぴっちりと張り付く感じ。しかも電極は体に密着するほうが通電効果が高まるため、通常のサイズより2サイズくらい下を選ぶのがベターとの事。普段Lサイズの探偵はSかXSを勧められたのだが、Sという記号にビビり、結局Mサイズに。

　スーツは電極パットがある部分、太もも、お尻、背中、腕、胸…要するに全身にジェルを塗って装着。スーツの中は、紙ショーツのみの全裸である。この時点で落ち込む探偵。鏡に映った姿がまるでトドの様で、“まずは体の線がはっきりくっきり見えるピタピタスーツを着るためのダイエットが必要じゃないか！” と愚痴がこぼれる。

　とはいうものの、思ったよりはきつくない。係の方に“できるだけピチピチが正解です”と言われたのに、入らなかった時の保険でMサイズをチョイスしたため、むしろ若干緩め。確かにSサイズでも良かったかも。こういうどうでもいいところでチキンになるのが探偵の悪い癖だ。

　プログラムは心拍数を上げて脂肪燃焼を高める“燃焼コース”と全身をまんべんなく使う“全身コース”があり、それぞれにレベルや目的に合わせいくつかのクラスがある。探偵は“全身コース”の中の “サーキットベーシック”に挑戦。いわゆるTRXやバトルロープ等の器具を使ったファンクショナルトレーニングで、その名の通り、全身を使うのが特長。一緒に指導して下さるインストラクターの方が持ったEMSをコントロールするタブレットが妖しく光を放っている。「一人一人電流の感じ方が違うので、どのくらいの出力にするか試してみますね」と笑顔で言われ、思わず身構える。「これでどうですか？」「特に感じません」「じゃ、これは？」ちょっとビリビリします」「もう少し大丈夫そうですね。ではこのくらいはどうですか？」「結構きてます」という具合にきめ細かく強さを合わせてくれる。ちなみに、試しにMAXに近いぐらいに上げてもらうように頼んだが、その半分もいかない出力で絶叫し、あきらめた事を付け加えておこう。お笑い芸人が罰ゲームでやられているやつってこんな感じなのかな…とどうでもいい事を考えてしまった。

　そして20分のレッスンが始まった。まずは一つ一つの器具の使い方の説明。使い方といっても、ダンベルの上げ下げやボールを持っての動きなど、簡単な動作なので覚えるのは簡単。しかも、そんなにきつそうでもない。内心「楽勝～」と思いながら、トレーニングスタート！　ひとつの器具で単純動作を繰り返す事20秒。終わったら10秒のインターバル。これを延々繰り返す。動作が変わるので飽きる事はないのだが、この単純動作が結構大変なんだわ。「20秒って、こんなに長いの～！」と叫びたくなる。やればやるほど、体力が奪われ動きが鈍く…。もちろん、その間ビリビリと筋肉に電流は流れているのだが、もはやそんなものは気にならないほど、キツイ！　完全に日ごろの運動不足がたたっている。「ひえー！」とか「むりー！」とか泣き言を言っているうちに、レッスンは終了。気が付くと20分しか経っていない。なのになんなんだ！この疲労感。もしや、これがビリビリの威力なのか？！

　あとで聞くと、その20分で最大700㎉の消費が見込めるとか。しかも、「visionbody」を着用しない場合に比べ、約4倍の運動効果があるらしい。ゆえに、短時間で効果を出す事ができるのだ。まさに、忙しい人にはぴったりな時短トレーニングと言える。

“燃焼コース”には、世界初のEMSを流しながら行う、ジャズやヒップホップなど多彩なダンスエクササイズもあるので、リズムに乗って楽しく効率的に脂肪を燃焼したい人には、そちらもおススメだ。

　トレーニング終了後は、オリジナルのプロテインをいただける。バナナとストロベリーのフレーバーから選べるがどちらも飲みやすく、おいしいので苦手意識を持っていた探偵でもごくごくと飲み干した。これでたんぱく質を補給し、徐々に筋肉を増やしていければ、もっと代謝がよく痩せやすい体になれるかも。夢だけは広がるメタボ探偵であった。