杉咲花、映画『十二人の死にたい子どもたち』で「生きていると感じた」
映画『十二人の死にたい子どもたち』公開記念舞台挨拶が26日、都内にて行われ、インフルエンザで欠席という新田真剣佑を除く11人のキャストと堤幸彦監督が登壇した。
廃病院に集まった12人の自殺志願の子どもたちが想定外の13人目の遺体を発見し、互いに疑心暗鬼になりながらも、その謎を解き明かそうとするサスペンス。
「これが自分の映画だと思うものが撮れたなと思っています」と、若い俳優たちを誇らしそうに見回した堤監督。そんなキャストたちに司会から、本作を通して成長したと思うことはと質問されると、杉咲花は「40分の長回しなどもあって忍耐力が鍛えられたと思います」と答え、橋本環奈も「1日のことを何日もかけて撮影していたんですが、みんなの緊張感が途切れることはなかった。私だけではなく、みんなが成長したと思う」と晴れやかな笑顔を見せた。
北村匠海は「これまでどの現場に行っても自分が一番年下だったんですけど、現場で竹内(愛紗)さんが宿題をやっていて、自分も歳を取ったと…」と会場の笑いをさそい、高杉真宙は「僕は本当に人見知りなのですが、みなさんとの撮影を通してコミュニケーション能力が少し成長したのかなと思う」。ところがこれに北村が何か言いたげなそぶりを見せ「現場の妖精として見守っていた感じだった」と高杉の人見知りぶりを暴露した。
またこの日のトークセッションでは“十二人の〇〇したい子どもたち”というお題で、登壇者がそれぞれ12人でしたいことを回答。個性的な回答が出そろった。なかでも「ハワイで打ち上げをしたい」という橋本の回答に監督や共演者たちから「自分の願望そのままでしょ」「私利私欲?」とツッコミが。橋本は「私としては、みんなの気持ちを代弁したつもりで(笑)。昔はそういうことがあったと聞くので」と、うったえたが堤監督から「大昔ね」と望み薄の返事。杉咲花は「もぐもぐしたい。現場に真剣佑さんが大量のピザを差し入れてださったんですけど、撮影していたシーンの空気もあって各々という感じだったので、今度はみんなで楽しく食べたい」。高杉や北村ら複数が答えたのは「ゲームがしたい」。北村いわく「ゲーム好きな人が多い現場だった」とのことで「メンズで、オンライン上でも(萩原)利久くんやフッチー(渕野右登)とか、みんなでやってました。真剣佑くんも無事ゲーマーになりました。女性陣のなかでも吉川(愛)さんがやっていましたよね」と明かすと、吉川も「ゲーム実況動画もよく見ているくらい好き(笑)」。すると堤監督が「1日2時間くらいにしなさいよ」。親心あふれる忠告に“子どもたち”も照れ笑い。
そんなキャストたちに原作者・冲方丁から「(十二人の)今後の大活躍を見届けたい」とのメッセージが届き、杉咲は「何より冲方さんにちゃんと見てもらえるようみんなで頑張ったので本当にうれしいお言葉をいただきました」と感激。堤監督は「十二人の“隅に置けない”子どもたち。いろんな大御所や先輩がいるなかで実力を発揮して前へ出て行くのは難しいことだけれど、この12人に関しては問題ない。奇跡的な12人が集まった。この12人は誰一人、隅に置けない存在だと思っています」と若い俳優たちの背中を押した。
最後に杉咲は「この映画は12人がそれぞれ死にたいと言って集まるんですが、みんなとの出会いによって怒りや苦しみがさらけ出されていく。私もみんなとお芝居をさせていただいて自分が生きていると感じました。生きるパワーをもらえる作品だと思っています」と締めくくった。
映画『十二人の死にたい子どもたち』は全国公開中。