【インタビュー】初版発行部数100万部『史上最強のCEO』誕生の秘密 津嶋栄 (フローラル出版・代表取締役)
日本のビジネス書史上初めて初版発行部数100万部で発売したことが話題のジェームス・スキナー著『史上最強のCEO』(フローラル出版)。著者の希望でアマゾンジャパンには出荷せず、リアル書店に〈仕入れて100円〉、〈販売するとさらに100円〉という破格の販売支援金を用意している。前代未聞のプロモーション展開についてフローラル出版の津嶋栄代表取締役に聞いた。
『史上最強のCEO』
フローラル出版を設立されたのはいつ頃ですか?
津嶋栄(以下、津嶋)「2018年の10月です。2017年の8月末で前職の高橋書店(手帳や日記、カレンダー、生活実用書などを出版する出版社)を退職して、9月に独立しました。フローラル出版を立ち上げる前は、書籍のプロモーションをセットにした出版プロデュース業を行っていました。出版ジャンルはビジネス書・実用書・語学書に絞っています」
出版ジャンルを絞っている理由は?
津嶋「僕らは新興の出版社になるので、ある程度ジャンルを絞って、カテゴリーキラーになっていかないと飛び抜けるのは難しいという側面があります。その中で前職の関係も含めて僕らのノウハウを生かせることと、書店の担当者(書店では各ジャンルごとに専門の担当者を置いている場合が多い)も多岐にわたって相手にすると大変なので、この3ジャンルに絞ってやる形が限度かな、と」
これまでに編集職のご経験は?
津嶋「高橋書店の時は最初に営業職を6年、その後に編集職を5年やって、また営業に戻って9年、トータルで20年やっていましたので、ひと通りのことは学ばせてもらいました。編集職の5年の経験の中で編集長をやっていた時期もあります」
今回出版した『史上最強のCEO』ですが、初版100万部という部数を決断した理由を教えてください。
津嶋「著者のジェームス・スキナーの考え方が、もっと日本に広がるべきだというのが前提としてあります。日本の会社の数はおよそ200万社以上あるわけですけど、その中の少なくとも半分には届けたいなということですね。僕らが通常の出版社と違う点は、あくまでも著者との共同事業という形でやらせてもらっています。一冊一冊が共同事業で、お互いの役割を明確にして役割分担したうえで、著者と一体になって制作から販売、プロモーションを含めてできることをしっかりやっていくというやり方をしています。ジェームス・スキナーはビジネス界の巨人と呼べる人なので、そういった人と組むとより大きなことができますね。もともとはスティーヴン・R・コヴィー著『7つの習慣』(キングベアー出版、1996年)を日本に広めたことで有名になった人で、『7つの習慣』が23年間かけて実売250万部に達している背景と、その後ご自身の著書も16冊出版されているのですが、彼の本業である経営コンサルタントの真髄をストレートに説く本というのは実は初めてなんです」
津嶋栄(以下、津嶋)「2018年の10月です。2017年の8月末で前職の高橋書店(手帳や日記、カレンダー、生活実用書などを出版する出版社)を退職して、9月に独立しました。フローラル出版を立ち上げる前は、書籍のプロモーションをセットにした出版プロデュース業を行っていました。出版ジャンルはビジネス書・実用書・語学書に絞っています」
出版ジャンルを絞っている理由は?
津嶋「僕らは新興の出版社になるので、ある程度ジャンルを絞って、カテゴリーキラーになっていかないと飛び抜けるのは難しいという側面があります。その中で前職の関係も含めて僕らのノウハウを生かせることと、書店の担当者(書店では各ジャンルごとに専門の担当者を置いている場合が多い)も多岐にわたって相手にすると大変なので、この3ジャンルに絞ってやる形が限度かな、と」
これまでに編集職のご経験は?
津嶋「高橋書店の時は最初に営業職を6年、その後に編集職を5年やって、また営業に戻って9年、トータルで20年やっていましたので、ひと通りのことは学ばせてもらいました。編集職の5年の経験の中で編集長をやっていた時期もあります」
今回出版した『史上最強のCEO』ですが、初版100万部という部数を決断した理由を教えてください。
津嶋「著者のジェームス・スキナーの考え方が、もっと日本に広がるべきだというのが前提としてあります。日本の会社の数はおよそ200万社以上あるわけですけど、その中の少なくとも半分には届けたいなということですね。僕らが通常の出版社と違う点は、あくまでも著者との共同事業という形でやらせてもらっています。一冊一冊が共同事業で、お互いの役割を明確にして役割分担したうえで、著者と一体になって制作から販売、プロモーションを含めてできることをしっかりやっていくというやり方をしています。ジェームス・スキナーはビジネス界の巨人と呼べる人なので、そういった人と組むとより大きなことができますね。もともとはスティーヴン・R・コヴィー著『7つの習慣』(キングベアー出版、1996年)を日本に広めたことで有名になった人で、『7つの習慣』が23年間かけて実売250万部に達している背景と、その後ご自身の著書も16冊出版されているのですが、彼の本業である経営コンサルタントの真髄をストレートに説く本というのは実は初めてなんです」
津嶋栄 早稲田大学第一文学部卒。株式会社高橋書店に20年間勤務。2017年に独立し、株式会社日本経営センターを立ち上げ、業界初の実売1万部保証の出版プロデュースをメインに活動を開始。2018年10月、グループ会社としてフローラル出版を立ち上げ、高名な経営コンサルタントのジェームス・スキナーと協業し、業界内で大きなチャレンジを行う土台をつくる(撮影:蔦野裕)
内容も類書とは差別化されているわけですね。
津嶋「あとは“100万部”という部数を打ち出すインパクトです。通常通り初版3000〜4000部でスタートしても、どうしても市場に対するインパクトが出せないし、広告という意味でも強いインパクトを出したいというところを踏まえると、これはやる価値があるなと踏んでスタートさせてもらっています」
出版自体はどのような経緯で決定されましたか?
津嶋「ジェームス自身が日本全体の企業の状態を憂いていたんです。そもそも彼はすごく日本が大好きで、日本語も流暢ですし、実際に編集制作の過程ではこれまでの著作以上に日本へのこだわりを感じることができました。自分自身も彼の教えを受けながら経営させてもらって、会社がどんどん大きくなっている状況を実体験しているというのもあります。彼自身にお願いしてフローラル出版の顧問に入っていただいて、いろいろな相談をしていく中で、彼の経営コンサルタント人生30年間の集大成となる本を出したい、そして『7つの習慣』を超える本を作っていこうという流れになった。正直僕のほうからは怖くて言えなかったですけど、ジェームスから『初版100万部はどうか』という話が出た時に、これは大きなチャンスだな、と思いました。僕自身が出版業界全体の現状をなんとかしたいと思って独立した経緯があるので、100万部の本を作る時にこういうやり方もできるということを示したい、業界に一石投じたいというのもあって決断しました」
アマゾンジャパンに出荷しないというのも非常に大きな決断だと思いますが、その理由は?
津嶋「僕は15年間全国の書店さんを回らせていただきましたが、僕が新卒の20年前の状況と現在の書店を比べると、書店さんの疲弊感がすごく強い。販売現場、文化の発信基地としての書店がどんどんなくなっていき、日本の文化レベルが失われていくという中で、よりリアルの書店さんに肩入れしてしまうところはあります。ジェームス自身もキングベアー出版の創業者で『7つの習慣』の250万部を売っていく過程でリアルの書店さんにものすごく助けていただきました。アマゾンジャパンは素晴らしい企業ですけど、書籍全体のシェアとしては20%程度、リアル書店さんが60%を占めている状態で、まだまだリアル書店さんがアマゾンジャパンの3倍は売れる市場を持っている。アマゾンジャパン抜きでもベストセラーは作れるというところにチャレンジしたい思いもありました」
書店への販売支援金でも思いきった施策を取られていますね。
津嶋「覚書を交わすこととPOSデータが取れることを条件にしています。まず日本の本の定価について、これだけのクオリティーのものを1000円前後で出版するのはかなり安いと思います。ヨーロッパやアメリカ、アジア各国を見ていても2000円台が普通ですよね。本の価値を見直したくて、定価自体を少し高めに設定しています。考え方としては『史上最強のCEO』の定価の中に販売支援金を組み込んでいるんです。気持ちとしては〈仕入れ200円〉にしてもいいんですけど、業界全体の問題として即返品という事態もあるので〈仕入れ100円〉、〈実売100円〉という形に落ち着きました。インペナ(インセンティブ&ペナルティー)と呼ばれる施策も流行っていますが、僕はペナルティーを課すという考え方が好きではなくて、より頑張ると返ってくるだけで十分だと思います。この大きな事例で一回書店さんを信じてみたくて、展開部数も返品の縛りもありません。新興出版社として契約書店が大手出版社並みにあると、その後の著者との交渉がやりやすくもなります。実はこの本だけでなく、フローラル出版の本すべてが対象となる契約を結んでいるんです」
(TOKYO HEADLINE・髙橋花絵)
津嶋「あとは“100万部”という部数を打ち出すインパクトです。通常通り初版3000〜4000部でスタートしても、どうしても市場に対するインパクトが出せないし、広告という意味でも強いインパクトを出したいというところを踏まえると、これはやる価値があるなと踏んでスタートさせてもらっています」
出版自体はどのような経緯で決定されましたか?
津嶋「ジェームス自身が日本全体の企業の状態を憂いていたんです。そもそも彼はすごく日本が大好きで、日本語も流暢ですし、実際に編集制作の過程ではこれまでの著作以上に日本へのこだわりを感じることができました。自分自身も彼の教えを受けながら経営させてもらって、会社がどんどん大きくなっている状況を実体験しているというのもあります。彼自身にお願いしてフローラル出版の顧問に入っていただいて、いろいろな相談をしていく中で、彼の経営コンサルタント人生30年間の集大成となる本を出したい、そして『7つの習慣』を超える本を作っていこうという流れになった。正直僕のほうからは怖くて言えなかったですけど、ジェームスから『初版100万部はどうか』という話が出た時に、これは大きなチャンスだな、と思いました。僕自身が出版業界全体の現状をなんとかしたいと思って独立した経緯があるので、100万部の本を作る時にこういうやり方もできるということを示したい、業界に一石投じたいというのもあって決断しました」
アマゾンジャパンに出荷しないというのも非常に大きな決断だと思いますが、その理由は?
津嶋「僕は15年間全国の書店さんを回らせていただきましたが、僕が新卒の20年前の状況と現在の書店を比べると、書店さんの疲弊感がすごく強い。販売現場、文化の発信基地としての書店がどんどんなくなっていき、日本の文化レベルが失われていくという中で、よりリアルの書店さんに肩入れしてしまうところはあります。ジェームス自身もキングベアー出版の創業者で『7つの習慣』の250万部を売っていく過程でリアルの書店さんにものすごく助けていただきました。アマゾンジャパンは素晴らしい企業ですけど、書籍全体のシェアとしては20%程度、リアル書店さんが60%を占めている状態で、まだまだリアル書店さんがアマゾンジャパンの3倍は売れる市場を持っている。アマゾンジャパン抜きでもベストセラーは作れるというところにチャレンジしたい思いもありました」
書店への販売支援金でも思いきった施策を取られていますね。
津嶋「覚書を交わすこととPOSデータが取れることを条件にしています。まず日本の本の定価について、これだけのクオリティーのものを1000円前後で出版するのはかなり安いと思います。ヨーロッパやアメリカ、アジア各国を見ていても2000円台が普通ですよね。本の価値を見直したくて、定価自体を少し高めに設定しています。考え方としては『史上最強のCEO』の定価の中に販売支援金を組み込んでいるんです。気持ちとしては〈仕入れ200円〉にしてもいいんですけど、業界全体の問題として即返品という事態もあるので〈仕入れ100円〉、〈実売100円〉という形に落ち着きました。インペナ(インセンティブ&ペナルティー)と呼ばれる施策も流行っていますが、僕はペナルティーを課すという考え方が好きではなくて、より頑張ると返ってくるだけで十分だと思います。この大きな事例で一回書店さんを信じてみたくて、展開部数も返品の縛りもありません。新興出版社として契約書店が大手出版社並みにあると、その後の著者との交渉がやりやすくもなります。実はこの本だけでなく、フローラル出版の本すべてが対象となる契約を結んでいるんです」
(TOKYO HEADLINE・髙橋花絵)
『史上最強のCEO』
【著者】ジェームス・スキナー【発行】フローラル出版【定価】本体1800円+税
※著者のサイン入り書籍を読者3名にプレゼントします。
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<プレゼントの応募について>
【応募の〆切】2020年2月9日(日)
以下のリンクのフォームからご応募ください。
http://www.campaign-kenshou.com/campaign.php?id=3914
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