卒業式中止の学生、レンタル学校でセルフ卒業式。「工夫凝らしてコロナ乗り越えたい」

東京・奥多摩の廃校で行われた学生によるセルフ卒業式
 新型コロナウイルスの影響による休校や式典の中止が相次ぐなか、卒業式を迎えられなかった学生たちは、自分たちの工夫で春の節目を迎えている。

 都内の大学に通うサッカー部の男子学生9名は19日、東京・奥多摩の廃校「OKUTAMA+」を会場に、自らの企画で卒業式を行った。2月後半に卒業式中止の連絡が大学から入り、節目の機会を失った学生らは急遽、この企画を考案。「4月からは就職でバラバラになるメンバーなので、何か学生最後に思い出に残る企画をしたかった」と、思いを語った。
自分たちの手で卒業証書なども用意した
 学生たちが活用したのは、様々なスペースを1時間単位で貸し借りできるレンタルプラットフォーム。当初は、市民体育館のようなものを借りようと考えていたが、もう少し学校らしいものが良いと、インターネットで検索して、会場を見つけた。卒業式らしさを出すため、制服や紅白幕、赤いカーペットもレンタルで揃えたという。

 式では、卒業ソングを歌ったり、記念写真を撮ったほか、卒業証書を渡し合いながら、在学中のエピソードを振り返るなど、和やかムード。笑いに包まれながら、自分たちで節目を作ることで、互いの門出を祝った。参加者の長谷川哲哉さんは「大学で大きく卒業を祝い、色んな人と写真を撮りたかったが、それが叶わなかった。ただ、自分たちなりに楽しめる機会を作れたのがよかった。考え方ややり方を変えることで、気持ちの面でコロナを乗り越えることが大事なのでは」と、思いを語った。
「スペースマーケット」で貸し出しているレンタルスペース、OKUTAMA+(旧古里中学校)