新型コロナ「今こそ法的拘束力のある休業要請を」介護施設の現状も…東京都医師会

 東京都の新型コロナウイルスの新規感染者数が過去最多の367人となった30日、公益社団法人東京都医師会が都内で記者会見を開いた。冒頭で尾﨑治夫会長は「新型コロナウイルスを収束に向かわせるには、無症状者を含めた感染者の積極的な隔離が必要。エピセンター(感染の震源地)を徹底的に叩いていき、そこから周囲への感染拡大を防ぐこと。この3点がしっかりしていないと対策は進まないだろう」とし、感染者数の増加に「何もしていないのではないかと言われるが、無症状者も含めて感染経路を追いながら一日5000件というPCR検査を行い、感染者はすべて隔離して自宅や宿泊療養だとしても保健所の方がきめ細かく経過観察してきた。日夜、東京都の職員や保健所の方、我々医療者も頑張って隔離していることが、これまで東京都の感染者数の爆発的な増加を防いできたと思っている。東京は決して無策ではない」と主張した。
国に踏み込んだ対策を訴える東京都医師会の尾﨑治夫会長
 そのうえで「1月頃からの新型コロナの動きを振り返ると、4月の始めには歌舞伎町でクラスター発生の話が出ていて、その頃から休業要請をしていてもなかなか応じてもらえなかった。全国の『夜の街』でエピセンター化が進んでいる中、今のやり方では日本全体が感染の火だるまに陥っていく。今こそ特別措置法を改正して法的な拘束力のある休業要請、そこに休業補償をきちんとつけることを、全国のエピセンター化している地域すべてにおいて同時に進めることが大事だ。国が動いて、一斉に進めることが全国に広がる火種を収める唯一の方法」と強調。休業期間の間に検査能力を結集して一斉にPCR検査を行い、地域の感染者数を把握して対策を練ることが重要だと訴えた。

 具体的にはエピセンター化した地域を限定し、法的拘束力のある保障を伴った休業を約2週間程度要請、その間に集中的なPCR検査を行なって感染者の洗い出しと隔離する施策を提案。東京都内で1400カ所(人口1万人あたり1カ所程度)のPCR検査施設の充実を図るとして、行政検査は大学や研究機関にも協力を得て迅速かつ多数の検査体制の確立、社会経済活動を再開するための検査の受け皿やヘルスケア、企業検診やイベントなどでの必要性にも対応していく構えだ。クラスター発生の際にはPCRカーを使用したモバイルPCR検査チームの創設や、入院患者の調整が増加する中で改めて都立・公社病院を中心に3000床規模のコロナ専門病院の設置も提言した。
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