熱中症や夏バテ対策はもちろん“コロナ疲れ”の予防にも 今年の夏は“鉄分摂取”がカギ

 暑さが厳しくなるこの季節に、コロナ禍でマスクを着けていなければいけない今年は、例年以上に熱中症や夏バテへとつながりかねない。

 また、新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、慣れない環境下での仕事から、集中力が続かない、疲れを感じるという人も多く不安や心配にとらわれ「コロナ疲れ」に陥っている人も少なくないはず。

 そんな中、最新の調査では「少量の鉄分継続摂取」(1日3.6mgの鉄分を1か月摂取し調査を実施)による疲労回復や心理的ストレス軽減の可能性が明らかにされた。

 熱中症や夏バテの予防対策としては、水分と塩分摂取が知られているが、最新の研究結果では、夏場を想定した疲労には少量でも鉄分の継続摂取に改善効果があることが、スポーツの国際競技力向上に関する支援活動に携わる日本体育大学体育学部の杉田正明教授の研究により明らかになった。さらに、鉄分の継続摂取によって快適な目覚めが得られることが分かった。

 また、鉄分摂取が運動による疲労の改善とともに、日常的な心理的ストレスを軽減することも大妻女子大家政学部の川口美喜子教授による研究で明らかとなった。少量の“鉄分”を1か月継続して摂取することで疲れを改善し、さらに不安や無気力といったネガティブな気分や感情を改善することが明らかになった。

 日本は貧血大国といわれており、貧血率は、他国の約45倍ともいわれている。日本人は特に女性を中心に鉄分の摂取量が不足している。

 貧血には鉄分摂取が効果的であるとされる一方、今回の調査結果から少量でも継続的に鉄分を摂取することで疲労回復やストレス低減に効果があることが分かった。

 コロナ禍において多くの人が働き方の変化を体験している中、継続的な鉄分摂取により心身の疲労が低減され、仕事のパフォーマンスにも良い効果を得られるかもしれない。
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