【演劇・ミュージカルに復活の兆し】新宿梁山泊『唐版・犬狼都市』


 新宿梁山泊は今年6月に花園神社特設テントで『唐版・犬狼都市』の上演を予定していたのだが、新型コロナウイルスの影響で、延期に。その公演が本多劇場グループテント企画として、11月14日から下北沢駅前の線路街 空地に特設紫テントを立てて上演することとなった。

 本作は澁澤龍彦の「犬狼都市」に想を得て描かれた唐十郎の珠玉の名作。東京の大田区の地下にあるという犬の町「犬田区」を舞台とした物語。そこに生息するしがない人間のドラマが展開される。

 新宿梁山泊の役者陣に加え、小劇場界で活躍する宮原奨伍、オレノグラフィティ、実力派俳優・松田洋治ら豪華な客演陣を迎えて送る。

 同作は状況劇場で1979年に初演。場所は新宿西口公園に建てられた状況劇場の紅テントだった。当時の状況劇場の客は新宿という街が生み出す猥雑な空気につかりながら唐の作る幻惑の世界の一員となっていた。

 開発されてしまった下北沢という街にはかつての新宿のような空気は望むべくもないが、その中で新宿梁山泊はどのような世界を見せてくれるのか…。

 新型コロナによる感染症対策として、テント演劇の定番である桟敷をなくして全席指定席のみとし、客席数も通常よりも大幅に減らし、また入場時に検温、50分に1回はテント全面で換気するなど、万全の対策を取っての公演となる。

新宿梁山泊『唐版・犬狼都市』

【日時】11月14日(土)〜22日(日)(開演19時。開場は開演30分前、当日券は開演1時間前)
【会場】下北沢 特設紫テント(下北線路街 空地)
【料金】全席指定 一般席 前売4500円、当日5000円/学生席 前売・当日3000円
【問い合わせ】新宿梁山泊(TEL:03-3385-7971〔HP〕 http://www5a.biglobe.ne.jp/~s-ryo/
【作】唐十郎
【演出】金守珍
【出演】金守珍、趙博、近童弐吉、松田洋治、水嶋カンナ、広島光、島本和人、宮原奨伍、オレノグラフィティ、八代定治、藤田佳昭、奥山ばらば、二條正志、野崎亨類、宮澤寿、山口拳生、染谷知里、諸治蘭