旬の食材に発酵と熟成の技が光る「季節の八寸コース」 銀座「GINZA豉KUKI」【今日も食べ過ぎ東京グルメ探偵】

 おいしいものがあると聞けば、調査に行かずにはいられない「東京グルメ探偵」。メタボを気にしつつも食べ過ぎてしまうのがたまにキズ。さて、今日のタレコミは…?



「GINZA豉KUKI」の「季節の八寸コース」6000円(税・サービス料別)。メインの「季節の八寸」は旬の食材に発酵と熟成の技を効かせた9種類を盛り付け(撮影:堀田真央人)

 日ごとに暖かさを感じ、ウキウキする今日この頃。もうすぐ春ですね。旬のおいしいものが大好きなグルメ探偵のもとに、春風に乗って耳寄りな情報がやってきた。


 東京メトロ各線の銀座駅A5出口より徒歩3分、瀟洒なビルの4階に位置する「GINZA豉KUKI」は、長野県の味噌メーカー「ひかり味噌」が2018年にオープンした発酵と熟成がテーマの日本料理レストラン。旬の食材と味噌、麹、甘酒などの発酵食品を組み合わせ、月替わりでコース料理を提供している。今回ご紹介する「季節の八寸コース」は、同店の自慢の料理が短い時間でも楽しめる新メニューだ。


 前菜は、クリームチーズと有機白粒味噌を使った名物「冷製茶碗蒸し」にアサリのポタージュをのせて木の芽を添えたもの。なめらかな口当たりに、発酵の味わいとアサリの旨みがたまらないひと品。次はマグロ、イカ、フグのお造りをたまり醤油、煎り酒(日本酒に梅干しなどを入れて煮詰めたもの)、有機白粒味噌と柚子果汁を合わせた酢味噌でいただく。こちらもつけだれの発酵調味料が旬の魚介類を引き立てる。


 いよいよメインの「季節の八寸」が登場。陶器の一段重を開けると、発酵と熟成の技を効かせた山の幸と海の幸が贅沢に盛り付けられている。この日のメニューは揚げ銀杏、自家製カラスミをまぶしたくわい煎餅、西京味噌に漬けて焼き上げたクリームチーズと市田柿、発酵赤味噌ソースと針葱を添えたローストビーフ、赤貝とわらびと熟成きくらげの酢の物、銀鱈の西京焼きと昆布の有馬煮、甘海老麹漬け、牛時雨煮、鯛の酒盗和えの9種類だ。


 どれもが主役級で甘さと塩気、旨みのバランスが絶妙。やさしい味つけは食事にもお酒のおつまみにももってこい。ご飯のお供にしたい人には長期熟成味噌の味噌汁と宮崎県鳴子産のササニシキをセットにした食事セット(税別1000円)も用意されている。


 最後の水菓子はこっくりした甘みの「白味噌と酒粕のアイスクリーム」。リピーターが多いのも頷ける、発酵と熟成の奥深さに大満足の探偵だった。



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