福士蒼汰「意外と好きかもしれない」 初めての朗読劇で刺激
福士蒼汰が『坂元裕二 朗読劇 2021』で朗読劇に初挑戦する。福士をはじめ、俳優と女優のペア6組が、同じ作品を朗読するというものだ。すでに東京公演はスタート。今は22日の出番を待つ。福士は「緊張もしますが、今は楽しみにしています」と笑顔を見せる。
本作に出会う前までは、朗読劇とは「どんなものかとちらっと映像を観た」という距離だった。これまでさまざまな規模のステージに立ち、派手なアクションも披露して楽しませてきたが、今回はずいぶんと勝手が違う。
「ソファに座ってそこから一歩も動かない。普段のお芝居なら身体表現や相手との距離感で演じることができますが、今回はそれがない。声と音のみでのお芝居です。最初は自分にできる確信がありませんでしたが、台本をいただいて読み進めていくうちに、おもしろいかもと思ってきたんです」
なぜそう思ったのかといえば、「没入感があった」からだという。
「読めば読むほど没入して行く感覚がありました。一人で読んでいるときもそうだったんですが、稽古をさせてもらって、より深くその空間に入ることができたんです。その感覚は意外というか、びっくりして。本を読んでいるという状況にありながら、自分が主観的になれているのを発見したことも、自分にとって衝撃的でした」
「稽古をして朗読劇の良さに気づいた気がします。僕は(朗読劇が)意外と好きかもしれない」と、本人。
福士は小芝風花とタッグを組む。
「小芝さんは本を読むのが本当に上手なんですよ。すごくきれいに、いい音で言葉を発しながら、隣りにいてくれるので、安心感があります。一緒に演じさせていただいていると気持ちがいいです」
2人で朗読するのは、『忘れえぬ 忘れえぬ』『不帰(かえらず)の初恋、海老名SA』、そして『カラシニコフ不倫海峡』の三篇。それぞれ独立した物語で、設定も違い、表現する世界観も異る。福士が朗読し、演じる人物も3人とも全く違うタイプだ。
「まったく違う役を演じられるので、演じていて楽しいです。『忘れえぬーー』では特徴的なキャラクター、『ーー初恋』ではピュアな……そうじゃないところもあるんですけど、恋が描かれている。『ーー不倫』では、一人の男性として、ずるがしこい部分だったりとか、ちょっと汚れた部分が見えてきたりします。人生を追っていく作品もあるので、一つの作品の中でも、年齢に伴って声色も変わっているんじゃないかなと思います」