タイミングばっちり!品川ヒロシ監督のどん底からの「リスタート」の説得力!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 なんだかんだとありましたがオリンピックが始まりましたね。

 開会式は楽しませていただきました。賛否両論あるみたいですが、そういうもんですよね。古くからの友人も出ていたりしたので、関わった皆さんには「お疲れ様でした」と声をかけてあげたいです。

 世間は五輪とコロナの話題でいっぱいですが、こちらは粛々と脚本を書いたり映像の編集をしたりの毎日です。

 さあ、今週も始めましょう。

黒田勇樹

 品川ヒロシ監督の「リスタート」を観てきました。緊急宣言中だというのに見たい映画は満席で、仕方なくマークしていなかったこの映画を鑑賞。

 シンガーソングライターを目指して上京したのに地下アイドルになって、バンドマンと不倫したのを週刊誌にすっぱ抜かれて落ちぶれて、そこから再起するまでの物語という…

「ダサいNANA」みたいなストーリー!

 シーンもどれもどこかでみたことがあるし、セリフもありがちなものを、かなりゆったりとしたテンポで耽々と。ネットやマスコミへの批判も「一度はどこかで読んだことがある」テンプレ的な内容で、なにより“陽キャ”が主人公なんですが、ここはもう以前から感じていた品川監督特有の“陰キャからみた陽キャ”の描写が際立ってて、細かい説明台詞が出てくる度に「いや、陽キャはそんなん“ウェーイ”で済ますわ」っつー描写が続くのですが

 この…「コテコテ」と、呼びましょうか。コテコテの演出が、後半、非常に利いてきて「全員がストーリーを理解した上での大オチ」に向かって行けたのは、品川さんがポップカルチャーに向かい合い続けてきたこと、映画を勉強し続けたこと、そして、きっと“身の回りで沢山おきた”であろう転落やゴシップ騒動の数々、を、見てきた“全部”なんではないだろうかと想像でき、後半は涙が止まりませんでした。

“辞任”や“解任”が、話題になりまくっているこのタイミングで“リスタート”という作品が公開されたこと。

「“作り続けること”」というメッセージ。

 
 ちょこちょこでてくる「ゲストの芸人さん」の「ひと笑い取ってやろう」みたいなのをカット出来なかったのだけは、ちょっと残念でしたが

「作品」、そして「音楽」のチカラを、このタイミングで世に問いかけることが出来たのは、奇跡みたいに素敵な作品だったと思いました。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
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