初のフル3DCGアニメーション!“新しい”ジブリ映画『アーヤと魔女』【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 新しいパソコンを導入したのですが、設定とか調整とかいろいろと手間取る日々でした。いや、今でもこの設定で合ってるのかはよく分かりませんが、なんとか仕事はできるようになりました。パソコンなんて数年に1回しか買い換えないのに、あちらの進歩が早すぎてついていけません。

 この原稿が無事皆さんの目に触れているということは、ちゃんとパソコンが仕事をしてくれたということですね。

 では今週も始めましょう。

黒田勇樹

「ジブリ初のフル3DCGアニメーションで、今までにいない現代的なヒロイン!」なんて言われたらめちゃめちゃ期待して駆けつけるじゃないですか。

 今週はスタジオジブリの新作『アーヤと魔女』を観てきました。

 単純な感想としては「そこそこ楽しめた」んですが、さて

「新しいジブリ映画だと期待して観たときにどうだろう」ということを書かなければいけないと思いました。

 面白さが「古き良きアニメの展開とテンポ」なんですよね。

 主人公も「ジブリ“では”新しい」だけで、もはやステレオタイプ。

 少年少女が「作ってるスタジオ」意識して、映画観ると思います!?

 筆者が現在39才で1才の息子がいるので「観せたいな」とは、思えるんですが「現代っ子がこれをみて楽しいのか?」という疑問が残ります。

 サブスクなりYouTubeなり「動画が身近にある世代」には、あまりにも単調。最近『クレヨンしんちゃん』を観ましたが、客席の子供たちの盛り上がり方の差が明らかで、「現代っ子は今の特撮とかアニメとかマーベルとか観てるから、これでは、ねむたくてしょうがないだろうな」

「じゃあ、この映画は、どの世代の、誰に向けて作った映画なんだ?」というか

「大人を意識しすぎながら“子供むけ”の映画作っちゃった」印象。

 原始人は“映像”を知らないから『ジョーズ』を見せても理解できなくて怖くない。

 現代っ子は、全世界の映画に影響を与えたといわれる『ブレードランナー』を、観ても

「どっかで観たことある退屈な内容」と思うそうです。

 そりゃそうだよね!その後の映画人のほとんどがブレードランナーの影響受けてるんだから、先にその“影響受けた作品”観てたら「既視感」抱いちゃうよね!

 能や狂言の様に、テイストを守り続けることも文化には絶対に必要で、そういう意図があれば意味のあることだと思うのですが「じゃあなんでフル3Dをうたっちゃったんだ!」

 僕の非常に勝手な、宣伝を見た思い込みですが「フル3DCGアニメーションでしか出来ない新しい表現をする“ジブリ”」が、観たかった。

 まぁ、でもディズニーもCGに手を出し始めてから“しっくりくる”まで、時間がかかったし、この作品はジブリにとって必要な通過点なんだろうな、と思いました。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23