オールスター集結!超豪華群像劇『マスカレード・ナイト』の、ココが凄い!【黒田勇樹のハイパーメディア鑑賞記】

 こんにちは、黒田勇樹です。

 最近、SNSを眺めていると、なかなか変わったお悩みを抱えている人がたくさんいるな~と思ったりします。

 いや、たまにはお悩み相談もやりたいな、と思いまして。

 最近このコラムを知った方の中にはもともとはお悩み相談していたってこと知らない方もいるんじゃないかと思って、ちょっと呟いてみました。

 さあ、今週も始めましょうか。

黒田勇樹

 キムタクと長澤まさみのW主演、脇を固めるのは渡部篤郎さん、小日向文世さん、石黒賢さんを始めとする名優たち、“犯人候補”は、田中みな実から沢村一樹、博多華丸、木村佳乃、麻生久美子、高岡早紀(敬称略!)…と

(お名前を挙げきれなかった先輩方、すみません…)

 あらゆる“界隈”から集められた

“お子様ランチか!!!”と、ツッコみたくなるほどの、贅沢で豪華なキャスティング。

 でも、このキャスティングこそが、この作品の肝であり「有名な人がいっぱい出てくるから楽しい“だけ”の映画」も、いっぱいあるのですが、今回はホテルを舞台に繰り広げられる「500人の“宿泊客”という容疑者候補のうち1人が、仮面をつけたパーティで殺人を犯す」という、事件の内容としても作品の内容としても、素晴らしい“目くらまし”に、なっている。

 サスペンスってメタ的な視点で観ると「こいつ犯人だろ」と、明らかに“格上”の俳優さんが出てて冷めることってありません?

 古畑とか相棒は、そこを逆手にとって“この人が犯人です”システムを使って、ロングランのシリーズを続けているんですが、ドラマはね、ながら見とかする様に作られてるから“ビックリする人が犯人”で、ちょうどいいんですよ。

 でも、2作目とはいえ、1本の映画となると“満足のいく犯人”が、必要なんですよ。

「ポスター見たら“ああ、この人が犯人だな”」って、思われちゃってもダメだし、だからといって

 捻りすぎて「誰?(役としても、キャストとしても)」でも、ダメ。

 映画はドラマと違って、お金を払って観るので“無名な俳優が犯人なら、めっちゃ芝居が上手い”or“すっごい有名な人が犯人”じゃないと“お腹いっぱいにならない”んですよね。

 んで、じゃあ、この東野圭吾さんの傑作群像劇を映像にするとして、「全員が、犯人役でおかしくない」キャスティングを実現させているのがとてもすごい。

 名作ドラマ「ショムニ」や「HERO」のチーフディレクターを始めとして数々の傑作を監督された鈴木雅之さんを将軍に添えて、木村拓哉さんという大将の下に集まった“このチームだからこそのキャスティングとミステリー”

 ぜひ、皆様にもお楽しみいただきたい傑作でした。

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黒田勇樹(くろだ・ゆうき)
1982年、東京都生まれ。幼少時より俳優として舞台やドラマ、映画、CMなどで活躍。
主な出演ドラマ作品に『人間・失格 たとえば僕が死んだら』『セカンド・チャンス』(ともにTBS)、『ひとつ屋根の下2』(フジテレビ)など。山田洋次監督映画『学校III』にて日本アカデミー賞新人男優賞やキネマ旬報新人男優賞などを受賞。2010年5月をもって俳優業を引退し、「ハイパーメディアフリーター」と名乗り、ネットを中心に活動を始めるが2014年に「俳優復帰」を宣言し、小劇場を中心に精力的に活動を再開。
2016年に監督映画「恐怖!セミ男」がゆうばり国際ファンタスティック映画祭にて上映。
現在は、映画やドラマ監督、舞台の脚本演出など幅広く活動中。

公式サイト:黒田運送(株)
Twitterアカウント:@yuukikuroda23