3回目のワクチン接種の前に新変異株「オミクロン株」の発生で改めて見直される「免疫力」の強化

12月3日、定例会見でオミクロン株への警戒を呼び掛ける小池百合子都知事(写真:Pasya/アフロ)

 新型コロナウイルスの新たなる変異株「オミクロン株」の発生が報告されるなか、政府は11月29日、全世界からの外国人の新規入国を原則停止すると表明した。翌30日にはナミビアから入国し、空港検疫で新型コロナウイルスの陽性反応が出ていた30代男性からオミクロン株が検出されたことが発表された。日本ではその後、海外からの入国者を中心にじわじわと増え始め、12月20日の時点で82人の感染者が確認されている。国内においてはまだまだ大騒ぎするほどの数字ではないかもしれないが、海外に目を向けると英国では1日に約1万人の新規感染者が確認されるなど、今後の日本への影響も懸念される事態となっている。

 このオミクロン株については重症化や感染のしやすさなどの詳細はまだ分かっていない。ただ一つ言われているのは、ウイルスの表面にある「スパイクたんぱく質」という突起のような部分に30カ所の変異があることから、ワクチンや抗体カクテルといった治療薬が効きにくくなる可能性があるということだ。

 オミクロン株発生の前段階でも第6波に備え、3回目のワクチン接種が推奨されていた。しかし今となってはその効果はどれくらいのものがあるのだろうか。

 今でこそ対コロナの一番の武器はワクチンとなっているが、コロナがはやりだした当初は、とにかく日々の手洗いや除菌、マスクをつけることで体内にウイルスを取り込まないことが推奨された。もっともSNS上での過剰なまでの流布があり、マスクや除菌剤の買い占めによる品薄が続出するなど、社会問題にもなった。

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