鈴木宗男氏が勉強不足の政治家に苦言。北方領土問題は「返還」ではなく「引き渡し」

映画『クナシリ』上映後にトークショーを行った鈴木宗男氏

映画『クナシリ』のトークショーで持論を展開

 日本維新の会の鈴木宗男参議院議員が1月8日、自らが長年向き合ってきた「北方領土問題」について改めて、2018年11月に安倍晋三元首相とプーチン大統領の間で行われた日露首脳会談での「シンガポール合意」に基づく解決が「一番現実的」との見解を示した。

 鈴木氏はこの日、映画『クナシリ』の上映後に行われたトークショーに登場。同映画は旧ソ連出身で現在はフランスに住むウラジーミル・コズロフ監督による作品で、北方領土の国後島で暮らすロシア人島民らの生活や島の様子をありのままに描いたドキュメンタリー。

 鈴木氏は「31年前にソ連がなくなりロシアになり、エリツィン大統領が“クリール(北方領土)は未解決な地域だ。法と正義に基づいて話し合いで解決したい。戦後の国際社会の枠組みは敗戦国と戦勝国で分けられたいる。私はその垣根を取っ払いたい”と言ってから日本政府も“四島一括返還”という主張はしなくなり“四つの島は日本のものかロシアのものかという四島の帰属の問題を解決する。そして平和条約を結ぶ”と方向転換をした」と歴史的な経緯を説明し「外交には相手がある。日本の主張だけが通って、相手の主張は通らないという外交はない。話し合いでいかに国益に沿って、自分に有利なほうに引っ張り込むか。そういう意味では安部元総理とプーチン大統領の間で行われた2018年のシンガポール合意、あれが一番現実的で解決はこれしかないと思っている」と語った。

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